「占いの話」カテゴリーアーカイブ

日本で風水が広まったきっかけは?

日本で風水が広まったのは自ら「風水先生」を名乗る小説家であり学者の荒俣宏氏(正確には奥さんの荒俣泰子氏)が1994年に「風水先生 地相占術の驚異」を刊行してからのことです。

つい最近のことですね。

荒俣氏といえばサラリーマン時代から怪奇幻想文学の翻訳を行い、作家となってから「世界幻想文学大系」(全45刊)の編集担当、さらに1985年になると「帝都物語」シリーズなど次々とベストセラーを刊行するなどインテリジェンスのある著名人として有名です。 続きを読む 日本で風水が広まったきっかけは?

張明澄ってだれ?

荒俣氏の「風水先生 地相占術の驚異」からさかのぼること約30年、風水の本場である台湾から張明澄(ちょうめいちょう)が来日、その後、1972年には帰化して小島聖一という日本名になります。

日本語能力が堪能なこと、学問に秀でていることなどの理由から日本に請われて来日、その張明澄の収得した学問の中に風水があり、日本の風水の原型は張明澄から始まったと言われています。

張明澄の風水は本格的な理気派。 続きを読む 張明澄ってだれ?

なぜ日本に風水は定着しなかったの?

本場中国では春秋戦国時代にはすでに風水の起源となる「卜宅」が存在し、晋の時代には陰陽思想を取り入れた隠宅風水や陽宅風水ができていたのに、風水が日本で広まるまで長き時が必要だった理由は風水が確立する宋の時代以前、中国から文化を持ち帰った遣隋使や遣唐使の存在が大きいといえます。

中国の文化や政治統制の方法を日本に持ち帰った遣隋使や遣唐使の知識の中には伏犠が説いた陰陽思想と五行説を組み合わせた陰陽五行説も入っていました。 続きを読む なぜ日本に風水は定着しなかったの?

日本の陰陽師はその後どうなった?

日本独自の陰陽五行説を司る陰陽師はその後、紆余曲折します。

これが本格的な風水の定着を拒む要因にもなりました。

平安時代に入ると貴族や朝廷は悪霊や厄災から逃れるために陰陽師を大切に扱い、また陰陽師もあらゆる悪霊や厄災を取り払うために儒教や密教の呪術を身に着け、超能力者のような存在になります。

陰陽師はやがて地位を高めていきますが、やがて武家社会が台頭するようになると陰陽師は公家社会だけに影響を与える存在まで没落していきます。 続きを読む 日本の陰陽師はその後どうなった?

風水に巒頭派と理気派がある理由は?

本場中国では、隋と唐の時代を経て宋に入ってから風水は巒頭派と理気派が確立されます。

山の形や川の流れといった目に見える地相から気を判断するのが巒頭派。

眼に見えない個人の年齢や生まれた時間などから気の流れを方位的に判断するのが理気派ですね。

巒頭派は江西省で発達したことから江西学派、理気派は福建省で発達したことから福建学派と呼ばれることもあります。 続きを読む 風水に巒頭派と理気派がある理由は?

コンラッドのビルに浮かぶ「13」の意味は?

中国が共産主義になったことで財産を持つ中国人が国外に流出、華僑となって世界各地に点在していますが、なかでも香港とシンガポールは多いことから華僑が運気を招くために風水を多用しているという話は有名ですね。

たとえばシンガポールのマリーナベイ・サンズ。

高さ200mの57階建て超高層ビル3棟の上にスカイパークを連結された話題のホテルですね。

公的にはデザインに風水が取り入れられているという発表はありませんが、風水専門家に言わせると風水要素がたっぷり取り入れられているとのことです。 続きを読む コンラッドのビルに浮かぶ「13」の意味は?

冨の噴水と風水の関係は?

シンガポールの建築物と風水の関係性、もう少し続けます。

7頭あるうちでもっとも有名なマーライオン公演にあるマーライオン、東に向いているのは風水に沿っての設計で、運気を運ぶ龍の流れを塞がないようにマリーナベイ・サンズは3棟のホテルを作って運気の流れを通す穴が空いています。

極めつけはサンテック・シティ・モールにある巨大な「冨の噴水」でしょう。

サークル状から伸びる5本の柱が大地とつながっており、その周囲には5つのビル。 続きを読む 冨の噴水と風水の関係は?

香港の風水戦争はどうして起きたの?

風水によるビル戦争、シンガポールよりも香港の方が先ですし、戦争規模もずっと大きいものです。

香港島に行ったことのある人なら必ず覚えているのが香港上海銀行本店。

イギリスの建築家、ノーマン・フォスターの最高傑作とも言われているビルで超高層ビルでは初めて吊り構造が採用されており、ビル側面の鉄骨組みがカニに似ているような特徴を持っていることからカニビルという俗称も持っています。

ノーマン氏が最初にビル設計に取り組んだ時、施工主から風水師の指南を仰ぐようにと指示されているのが香港的ですね。 続きを読む 香港の風水戦争はどうして起きたの?

「風水地理五訣」ってなに?

さて、風水では決まった言葉が何度も出てきます。

水とか龍とか穴とか。

地相を見るために始まり、今では個人的な運まで司ることが多くなった風水はいろいろな要素が積み重なっていますが、その中でもとくに基本とされているのが「風水地理五訣」です。

先の上げた三つの他は砂と向。

5つの要素が影響しあう関係は陰陽五行説にも通じるところがあります。 続きを読む 「風水地理五訣」ってなに?

「風水地理五訣」も残りの三つは?

「風水地理五訣」の続き、残り三つを紹介しましょう。

砂は穴の周囲の空気や土砂、丘や建物といった有形物を表わしており、きれいな空気や適度に湿り気のある土は塵埃が上がらず住む人を健康にします。

逆に塵埃が上がるような乾いた土地や日照時間が短くなるような建物や丘がある穴は住む人の健康を害して短命に終わらせるといいます。

このことから健康的な場所を「寿砂」、不健康な場所を「夭砂」と呼び、「砂管寿夭」が使われます。 続きを読む 「風水地理五訣」も残りの三つは?

「風水地理五訣」の具体的な例は?

「風水地理五訣」、これらのうち四つは目に見えているので巒頭派に属し、五つ目の向は目に見えないので理気派に属することがわかります。

ただし、これら地理五訣は単独で成り立つものではなく、五つの要素が互いに関係し、貴賤や吉凶、貧富などが変わってきます。

こうして地理五訣を改めて見ると、風水の一部が理解できますね。

確かに適度な湿り気がある土地は山々の麓であることが多く、とくに里山であれば日照時間が長くて川も流れ、作物を育てるのに適しているので住む人は豊かになります。 続きを読む 「風水地理五訣」の具体的な例は?

風水羅盤はどうやって使うの?

本格的な風水、とくに理気派は「風水地理五訣」だけで物事を占うだけでなく、これに陰陽五行説や六大課、八卦をかけ合わせた64卦といった占術に奇門遁甲などの分類学が加わって複雑化するので、頭の中の知識だけではとても結論を見出すことができません。

そこで使用されるのが風水羅盤です。

中央に方位を示す磁石があり、の周囲を何層もの要素が取り囲んでおり、とても複雑です。

日本の陰陽師も似たような式盤を使いますが、こちらはもっとカンタンに作られていますね。 続きを読む 風水羅盤はどうやって使うの?