夏目漱石と名前のない黒猫

話題を変えましょう。黒猫と作家の話です。

夏目漱石の処女小説「吾輩は猫である」の主人公、吾輩の毛色は淡灰色の斑入りとなっていますが、モデルとなったのは漱石37歳の時、夏目家に迷い込んできたノラの黒猫というのが定説です。

迷い込んでは猫嫌いの鏡子夫人につまみ出されますが、その度に戻ってきます。

ある日、出入りしている按摩のおばあさんが黒猫を見て、「この猫は足の爪まで黒うございますから、珍しい福猫でございますよ。飼っておおきになるとお家が繁盛します」と進言したことから漱石が飼おうと決意、夏目家の住人になり、「吾輩は猫である」の主人公になりました。 続きを読む 夏目漱石と名前のない黒猫

黒猫がジンクスになった理由

魔女狩りにおける黒猫の受難の話が、前項では魔女狩りで終わってしまいました。

さて、なぜ黒猫が一緒になって受難しなければならなかったのでしょうか?

まずヨーロッパでは、というよりキリスト教では黒という色が悪魔を連想させること、黒猫はその毛色から暗闇では人間の眼に触れることなく存在することが可能であること、さらにヨーロッパのお伽話や寓話に登場する魔女は必ず黒猫を飼っていること、などが理由として上げられます。

日本で黒猫が福をもたらす、という理由も馬鹿げていますが、黒猫を大切にするという意味では罪がないといえます。 続きを読む 黒猫がジンクスになった理由

ヨーロッパで行われた魔女狩りの真実

ヨーロッパで行われた魔女狩りは15世紀から16世紀にかけて最盛期を迎えます。

この発端となったのはキリスト教の異端審問会です。

当時、キリスト教の異端とみなされていたワルドー派はアルプス西部地方へ迫害を逃れるために潜伏していましたが、これらの異端の集会が敬虔なカソリック教徒たちにとって脅威と感じられ、妖術を使って悪魔を崇拝する集団とみなされたことから異端審問会が魔女裁判を行なって、敬虔なカソリック教徒を安心させました。

しかしワルドー派は原始教会への回帰を基本理念としており、当時のカソリック教会は蓄財に勤しんでいたことから異端として扱ったという説があります。 続きを読む ヨーロッパで行われた魔女狩りの真実

欧米ではジンクスの象徴的な黒猫

日本では福を呼ぶ黒猫も西洋に行くとむしろ不吉の象徴となります。

アメリカでは黒猫が前をよぎったり、黒猫をまたいだりすると不吉なことが起きる、13日の金曜日に黒猫を見ると悪いことが起きるというジンクスがあります。

このジンクス、日本が欧米化の道をたどると同時に輸入され、日本でも黒猫を不吉と見る一部の人が生まれました。

だいたい、ジンクスなんてものは経験値から生まれるものです。

由来も分からず信じ込むのはその人の悪いクセでしょう。 続きを読む 欧米ではジンクスの象徴的な黒猫

カラフルでグローバルになった招き猫

もうひとつ、招き猫の話。

招き猫といえば三毛猫が圧倒的に多いのですが、じつは黒猫をモデルにした招き猫もあります。

黒猫は夜でも眼が見えるという理由から(しかし、他の猫も夜目は効くのだけれど)魔除けの象徴とされ、黒猫を飼うと労咳(結核)が治るという迷信もありました。

新選組の若き剣の達人、沖田総司もこの迷信を信じた一人で、黒猫を飼ったけれど労咳が治らなかったために、最後は黒猫を斬り殺そうとするシーンが有名ですね。 続きを読む カラフルでグローバルになった招き猫

猫とツキと干支の性格

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