話題を変えましょう。黒猫と作家の話です。
夏目漱石の処女小説「吾輩は猫である」の主人公、吾輩の毛色は淡灰色の斑入りとなっていますが、モデルとなったのは漱石37歳の時、夏目家に迷い込んできたノラの黒猫というのが定説です。
迷い込んでは猫嫌いの鏡子夫人につまみ出されますが、その度に戻ってきます。
ある日、出入りしている按摩のおばあさんが黒猫を見て、「この猫は足の爪まで黒うございますから、珍しい福猫でございますよ。飼っておおきになるとお家が繁盛します」と進言したことから漱石が飼おうと決意、夏目家の住人になり、「吾輩は猫である」の主人公になりました。 続きを読む 夏目漱石と名前のない黒猫