絵画を使ったマネーロンダリング

バブル景気の時は一般消費者まで巻き込んだ絵画投資。

仕組みを見ると画商が儲かっているように思えますが、じつは画廊が儲けたオカネ、別のところに流れていきます。

政治家ですね。

仕組みはとても簡単。

たいした価値のない絵画を懇意の画廊からブローカーが10億円で購入します。

ブローカーはその絵画を政治家に贈答、政治家はブローカーが予め政治家へ指定した画廊へ売却、画廊は手数料を何%か受け取り、絵画を購入します。

めでたく政治家の懐には政治資金規正法をくぐり抜けた政治献金が入るというワケ。 続きを読む 絵画を使ったマネーロンダリング

一般消費者まで走った絵画投資

1989年、富士銀行とセゾングループの信販会社クレセゾンは絵画担保ローンを始めます。

これは絵画購入用ともいえる融資で、融資額は絵画流通価格の8割と定められましたが、その流通価格を判断するのは同じセゾングループの西武百貨店という、まさに価格なんてあってないようなもののローンシステムでした。

本来は絵画商やコレクターが利用するローンシステムですが、これに飛びついたのがバブル景気に浮かれる一般消費者。

すでに絵画は投資目的として十分な価値があるという風潮が世の中に蔓延していたので、高騰する土地を持たないサラリーマンを始めとして一般消費者がこのローンを利用します。

しかしコレクションではなく投資目的なので絵画の知識なんてありません。 続きを読む 一般消費者まで走った絵画投資

やがて絵画は拡散していく

バブル景気によって一時は世界的名画が日本に集まりました。

その一部は今でも日本国内で展示されています。

安田火災が購入したゴッホの「ひまわり」とセザンヌの「りんごとナプキン」は東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で、オートポリスが購入したボナールの「アンドレ・ボナール嬢の肖像」は愛媛県立美術館で、同じくオートポリス購入のシャガール「村の祭り」は高知県立美術館に収蔵されています。

しかし安田火災はバブル景気崩壊後、業界首位の東京海上火災保険への対抗心から吸収合併を繰り返して現在は損害保険ジャパン日本興亜という名称に変更、オートポリスは絵画購入からわずか3年後の1992年に倒産、齊藤了英氏は「死んだらゴッホやルノワールは棺桶に入れてもらうつもりだ」と言って世界中から文化度の低さを猛烈に批判されましたが、1996年に死去、絵画と一緒に暮らせたのはわずか10年の間でした。 続きを読む やがて絵画は拡散していく

多くの人の目に焼きつくことがなかった名画たち

バブル景気の時代、世界的名画がオークションに出され、それらをジャパン・マネーが席巻しました。

相場よりも高い価格で落札する日本は異常、と世界中から批評されましたが、それ自体はたいしたことではありません。

第一次世界大戦でヨーロッパが経済的疲弊を抱えていた時、アメリカはまさにバブル景気真っ最中、狂騒の20年代と呼ばれていた時代で、ヨーロッパ市場に乗り込むためにヨーロッパの負債に大きな投資を実施、その際には経済的疲弊をいいことにヨーロッパの文化的遺産を大量に買い込んだことがありました。

要するにバブル景気で国内需要が賄えるようになった後は、どこの国でもやっていることは一緒ということですね。

しかも美術品は定価がありません。

どうしても欲しい絵画があり、他の人が100億円で購入を希望した時、101億円出しても買いたいとなれば、欲しい人に取って101億円の価値があるわけです。 続きを読む 多くの人の目に焼きつくことがなかった名画たち

日本に集まった世界の名画

文化的側面で正の遺産を残してきたバブル景気ですが、残念なことに負の側面も残しています。

それが絵画投資ですね。

1987年、当時の安田火災海上保険(現在は損保ジャパン)はゴッホが描いた向日葵7点のうち、5作品目に当たる「ひまわり」を3992万1750ドル(当時のレートで約58億円)で購入しました。

オークション価格としては類を見ない高額で、相場の倍以上と言われています。

続いてF-1のスポンサードも行ったサーキット運営会社「オートポリス」がピカソの青の時代に描いた「ピエレットの婚礼」を89年に75億円で落札(この落札は当時、オートポリスの社長がサーキット開催の祝典を全日空ホテルで行い、そのパーティの最中にパリのオークションと衛星生中継で結んで落札したという、バブルの極みのような派手さが今でも語り草となっています)。 続きを読む 日本に集まった世界の名画

猫とツキと干支の性格

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