魑魅魍魎と戦う陰陽師

夢枕獏氏の伝奇小説「陰陽師」は主人公が六壬神課を習得した安倍晴明が主人公ですが、小説やその後に映画化、またはドラマ化された内容では風水師というより、タイトル通り陰陽師として描かれています。

この辺りが中国や韓国、台湾などの風水と日本の陰陽五行の違いでしょう。

小説「陰陽師」は平安の都、京を闊歩する魑魅魍魎と安倍晴明が戦うというストーリーものなので、興味のある人はぜひお読みください。

ここではそろそろ、風水が日本に伝来された時の話に戻しましょう。

風水が完成したのは前述したように明の時代(1368年~1644年)と比較的新しいのですが、すでに5~6世紀の奈良・飛鳥時代には中国からの僧によって占術の一部、とくに六壬神課が入ってきており、これを基本として陰陽道が発達、中国の風水とは異なった占術が発達していきました。 続きを読む 魑魅魍魎と戦う陰陽師

カウボーイ・ビバップに登場する宇宙風水

風水の根底には儒教があるので、韓国の歴史ドラマにも風水はよく出てきます。

その代表的なのが「大風水」。

朝鮮王朝樹立を風水の視点から描くという壮大なテーマでしたが、TVドラマとしての質が悪く、酷評されていたので、ここではそんな物語がありました、という程度に止めておきましょう。

大人向けのアニメで、現在もコアなファンが多い隠れた名作、「カウボーイ・ビバップ」の第21話、「ブギ・ウギ・フンシェイ」はメイファという宇宙風水師の弟子と主人公の1人、ジェットの物語でした。 続きを読む カウボーイ・ビバップに登場する宇宙風水

帝都物語は風水を大々的に取り上げた小説

コミックの話題が出たところで、風水が登場する物語の一部を紹介しますね。

風水が登場する物語で、日本でもっとも有名なのが1985年に発表された荒俣宏氏によるSF小説、「帝都物語」でしょう。

帝都壊滅を目論む魔人の大日本陸軍将校・加藤保憲とそれを阻止しようとする人々の活躍を描いた作品で、物語は明治末期から昭和73年まで続く大作です。

この魔人・加藤保憲は風水に詳しく、大地を巡る龍脈を操作して大地震・関東大震災を引き起こすほどの魔力を持っています。 続きを読む 帝都物語は風水を大々的に取り上げた小説

三国志で風水師として活躍したのは管輅

中国西普・東普以前の三国時代は魏の曹操、蜀の玄徳、呉の孫権によって繰り広げられた戦乱の世で、これまでに三国時代を題材にした物語が多く生まれているので、部分的に知っている人も少なくないでしょう。

三国時代に占術師として業績を残したのが、郭璞の章にも出てきた管輅(かんろ)で、史書の三国志にも記述が残されています。

三国志では管輅が多くの武将の生死を予言したことで占術師としての高い評価を得ていますが、ここではその後の戯曲に使われたエピソードを紹介しましょう。

管輅はある日、19歳になる趙顔という若者の顔を見て、あと数日の命であることを告げます。 続きを読む 三国志で風水師として活躍したのは管輅

風水界のスーパースターは郭璞

風水に限らず、占術はすべからく予言を実現させるスーパースターの登場によって世に流布されていきます。

西洋占星術では数学や天文学に多大な貢献を残した古代ローマの学者、クラウディオス・プトレマイオスがそうであったように、風水にも西普・東普(265~420年)の時代に郭璞(かくぼく)が登場しました。

河東間喜(現在の山西省)の寒門の生まれ(要するに貧乏な家ですね)ましたが、幼少の頃から勉学に勤しみ、五行・天文・卜筮(ぼくぜい・占術の意味)に秀でて、その才能は三国志に出てくる占術師、管輅(かんろ)をしのぐほどと言われました。 続きを読む 風水界のスーパースターは郭璞

猫とツキと干支の性格

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