今の日本は玉石混交の状態

日本の風水は冒頭でも紹介したように1990年代後半に流行を迎えましたが、それからわずか20余年しか経ていません。

本場、中国では風水の完成からだけでも600年以上、その源流となる陰陽思想から数えれば4千年の歴史を持ち、基礎は同じでも異なる方法論からさまざまな流派が誕生、その占術は複雑化しており、一朝一夕で覚えられるものではありません。

だからこそ中国や台湾では本格的な風水師が権威を持っているわけですね。

かたや日本、風水を取り巻く状況は豊臣秀吉が陰陽師を放逐した時に似ているといえるでしょう。 続きを読む 今の日本は玉石混交の状態

陰陽師と山伏

前項では平安時代より国家機関として活躍していた陰陽師が武家政権に時代に移ってから衰退、やがて豊臣秀吉から追放されるところまでお話しました。

一気に庶民の間に流出した陰陽師は最初の頃こそ、その知識によって大きな信頼を得ていましたが、陰陽師の絶対数が少ないことから似非陰陽師が大量に発生、それらはいい加減な占術を行って高い占断料を取っていたことから、民間でも陰陽師は次第に胡散臭い存在になってしまいました。

この辺り、修験道とよく似ています。

修験道は奈良時代、役小角(えんのおずの)が開祖、山岳信仰を元に厳しい山の中に篭って修行を行い、悟りを開いて超自然的な力を身につけ、一般市民の救済を目指すという実践的な宗教です。 続きを読む 陰陽師と山伏

『え』は兄で『と』は弟!陰陽五行説

陰陽五行説は5つの要素にそれぞれ陰と陽を組み合わせて10通りの種類を作り、これを十干と呼びます。

種類の呼び名は甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)となりますが、これでは日本人に浸透しづらいことから、日本語読みが生まれました。

それが、きのえ、きのと、ひのえ、ひのと、つちのえ、つちのと、かのえ、かのと、みずのえ、みずのと、で語尾の「え」は兄を、「と」は弟を表します。

つまり「干支」は陰陽五行説に由来する言葉なのです。 続きを読む 『え』は兄で『と』は弟!陰陽五行説

5要素は互いに作用する関連性を持つ

陰陽五行説は陰陽思想が根底にあるので、5要素に優劣順序はなく、互いに作用しあうという考え方を持っています。

もちろん相互作用は互いを活かすこともあれば、相手だけを滅ぼしたり、お互いが滅んだりする作用もあります。

これらを称して、相生、相克、比和、相乗、相悔と、やはり5つの関係性を表わしています。

●相生は相手を生み出していく陽の関係で、たとえば木は燃えることによって火を生み出し、火は燃え尽きた後に灰を残して土に戻します。

●相克は相手を滅ぼしていく陰の関係で、木は地中に根を張ることによって土地の養分を吸い上げて土地を痩せさせ、水は火を消し止め、火は金属を溶かします。 続きを読む 5要素は互いに作用する関連性を持つ

五行説もまた陰陽思想から

五行説は木・火・土・金・水の要素で構成されていますが、これは物質を表わしているのではなく、森羅万象を抽象化して5分類に当てはめています。

●木行:木は樹に通じますが、樹木の成長や発育する様子を表し、春の象徴とされています。

●火行:火は炎に通じ、明るく輝く様子を表わしていると同時に灼然の性格も持っています。夏の象徴です。

●土行:土は土地に通じており、植物が地中から発芽する状況が元になっています。万物を育成し、保護することを表わしており、季節は変わり目の象徴となっています。

●金行:金は地中に光輝く鉱物に通じており、金属の持つ堅固、確実、冷徹などを表わしています。季節は収穫の秋を象徴しています。 続きを読む 五行説もまた陰陽思想から

猫とツキと干支の性格

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