「マーフィーの法則」カテゴリーアーカイブ

13日の金曜日というジンクス

日本は良いもの悪いもの、なんでも取り入れる貪欲な性格を持っていて、さらにそれを日本流にアレンジする器用さが日本の文化・風習を育てているともいえます。

そのひとつがジンクス。

たとえば4と9と13、666。これらの番号は公共施設であまり見かけることがありません。

シティホテルや病院、鉄道車両、車のナンバープレートなどですね。

4は死、9は苦、この辺は日本の語呂なのでまだ分かりますが、13はキリスト教圏における最後の晩餐の人数であり、666に至っては悪魔の番号という、キリスト教信者以外にはまったく縁のない数字ですが、不吉である、という、ただそれだけの理由で忌み嫌われています。 続きを読む 13日の金曜日というジンクス

日本のジンクスは礼節にも関わっている

ジンクス、とは縁起の悪いことを言いますが、日本の場合、礼節を重んじることから自分だけでなく相手に対して失礼に当たる、という意味でもジンクスが生活のなかに取り入れられています。

たとえば病院の見舞いに鉢植えの花を持っていくのは良くない、というのは典型的なジンクスですね。

根付く、病院に長く入院するという隠喩になってしまうからですが、同じく見舞いの花としてシクラメンを持っていくのは良くない、とも言われます。

シクラメンは4と9が入っているから、とかなり無茶ぶりな根拠です。 続きを読む 日本のジンクスは礼節にも関わっている

13という数字が不吉なのは北欧神話から

ジンクスは絶対的な法則が存在しているわけではなく、単なる経験値や慣習、つまり迷信に過ぎないのですが、もちろんジンクスが発生する経緯が必ずあり、その経緯次第によっては迷信であると分かってもバンデミックのように拡散する可能性を持っています。

たとえば「13日の金曜日には不吉なことが起こる」というジンクス。

イエス・キリストが磔刑にされたのが13日の金曜日であることからキリスト教徒は忌むべき日、という俗説ですが、これは主に英語圏(ドイツやフランスも含まれる)だけの話で、キリスト教総本山のお膝元であるイタリアでは不吉な日は17日の金曜日、スペイン語圏では13日の火曜日となっており、13という不吉な数字と金曜日を不吉な曜日とする風習が合体して、13日の金曜日が不吉な日である、と定着しましたが、これ、19世紀に入ってからの話なんです。 続きを読む 13という数字が不吉なのは北欧神話から

「秋ナスは嫁にくわせるな」というジンクス

13日の金曜日には不吉なことが起きる、というジンクスは西洋圏の経緯なので、もっと日本人向けジンクスの経緯を紹介しましょう。

たとえば「秋ナスは嫁にくわせるな」というジンクス。

これは姑の嫁いびりとして知られている風習ですが、最近では秋ナスには水分が多く、体を冷やしてしまって子作りができなくなるから、とか、秋ナスはおいしいけれど種が少なく、子種に恵まれないからといった意味から出たジンクスとも捉えられています。

もっとも、このジンクスは経緯がはっきりしていません。 続きを読む 「秋ナスは嫁にくわせるな」というジンクス

黒猫は魔女の使いというジンクス

西洋のジンクスは時として日本では縁起ものになることがあります。その代表例が黒猫。

ヨーロッパの多くの国では「黒猫が横切ると不吉なことが起きる、黒猫をまたぐと不幸なことが起きる」というジンクスがあります。

その一方、日本では「夜目が効く」という理由から日本では黒猫を「福猫」として魔除けや幸運、商売繁盛の象徴とされていました。

招き猫でも白いネコより黒い方が魔除け厄除けの意味合いが強いそうです。

新選組の沖田総司は労咳を患い、晩年、黒い猫を斬り殺そうとしますが、これは黒猫に労咳を治す力があるという迷信から黒猫を飼っていたのですが、結局、労咳が治らなかったことを恨みに思ってのことで、けっして不吉な存だから、という行動ではありません。 続きを読む 黒猫は魔女の使いというジンクス

ジンクスを破った駒大苫小牧高校

ジンクスのほとんどは根拠のない迷信ですが、業界においてはジンクスが業績に大きな影響を与えるとかんがえる人が多くいるようで、根拠があろうとなかろうと、ジンクスは横行しています。

その代表例がスポーツ業界。

業界の慣習、東西、本人特有を問わずさまざまなジンクスがあります。

たとえば相撲には「弓取り式、または初切(しょっきり)を務める力士は大成しない」というジンクスがありますが、弓取り力士では小結まで上がった巴富士がいますし、初切経験者では出羽錦が関脇へ、栃錦は第44代横綱まで昇進しています。 続きを読む ジンクスを破った駒大苫小牧高校

トヨタの車名にCがつかないワケ

ジンクスも企業にとって何億、何十億という利益につながるかと思うと、とりあえずジンクス信奉者になるようですね。

たとえばホンダ。

実力本位の会社体質やレースを実験の場とする現実主義のメーカーですが、TVCMではほとんどの車種で有名芸能人の器用を避け、CMソングもJ-POPではなく洋楽やオリジナルを尊重しています。

安易に有名芸能人に頼らないという独自路線もありますが、ひとつには有名芸能人を器用すると車が売れない、というジンクスがあるとか。

トヨタには、ジンクスとして流布はされていませんが、明らかにゲン担ぎをしている事実があります。 続きを読む トヨタの車名にCがつかないワケ

アメリカ空軍から生まれた「マーフィーの法則」

企業規模でジンクスが生きている一方で、そのジンクスを笑い飛ばしてしまおう、という企みを持つ人もいます。

その代表的な存在が「マーフィーの法則」でしょう。

“If anything can go wrong it will”

失敗する可能性があるものは必ず失敗する、という言葉に代表される経験則をまとめた本で、1990年代前半に初登場、以後、ジンクスをユーモラスに語る内容として定着しました。

ちなみに成功願望の強い人に大人気の「マーフィー100の成功法則」とはまったく無縁です。 続きを読む アメリカ空軍から生まれた「マーフィーの法則」

なまくら包丁は指しか切れない

「マーフィーの法則」には、どのようなジンクス・経験則が掲載されているか、とりあえず難しい話は後回しにして紹介しましょうね。

“A knife too dull to cut anything else can always cut your finger.”

なまくらの包丁は指しか切れない、ですね。

これ、調理している人は実感できます。

切れ味の悪い包丁は野菜ではなく必ず指を切ってしまうもの。

もっとも、切れ味の悪い包丁は刃先が滑るからどうしても対象物からずれて指を切ってしまうのであって、これ、当然の帰結なんですけれど。 続きを読む なまくら包丁は指しか切れない

部屋を離れると選出される

ウィットに富んだ「マーフィーの法則」、まだまだユニークな経験則が載っています。

“The more elaborate and costly the equipment, the greater the chance of having to stop at the fish market on the way home.”

ちょっと長くなりましたが、精密で高価な釣具を使っているほど、家への帰り道で魚屋に立ち寄る可能性が高くなる、ですね。

弘法筆を選ばずと言いますが、趣味の世界で自分の道具を自慢することほど愚かな行為はありません。

そんな道具に金をかけるくらいなら釣りの回数を増やした方がずっと面白いでしょう。 続きを読む 部屋を離れると選出される

結婚生活の長さは結婚式の費用と反比例する

もう少し「マーフィーの法則」から、経験則やジンクスをご紹介しましょう。

“Nothing is as temporary as that which is called permanent.”

永久と言われるものほどつかの間のものはない、ですね。

男女の仲ではこれほど的確な経験則はありません。

出会った時と別れた後の感情は両極に位置する、という法則も男女の仲では成り立ちますね。

誓いを立てた永遠の愛ってなんだったんだろう、とか。 続きを読む 結婚生活の長さは結婚式の費用と反比例する

危機管理では真面目に捉えられている法則

「マーフィーの法則」に書かれている経験則、思わず心の中で、これってあるよねえ、と呟いてしまうようなことばかりですよね。

ユーモラスに経験則を解いていますが、その端緒となったのは至極、真面目な研究・実験から生まれた経験則です。

ここでもう一度、アメリカ空軍のマーフィー少佐に登場願いましょう。

1950年代、新型ジェットエンジンを搭載したジェット機のための実験としてMX-981という急減速の実験が続けられていましたが、その実験における異常発生の理由を調査していたマーフィー少佐は機器の配線に誤りを見つけ、「”If there is any way to do wrong he will.”」と言ったそうです。 続きを読む 危機管理では真面目に捉えられている法則