北欧神話の世界から生まれた人間型神

北欧神話の世界、今のところギンヌンガガプという空虚な割れ目から生まれた巨人ユミルと、そのユミルから生まれたヨトゥンと呼ばれる巨人たち、牝牛アウズンブラの舐めた塩の氷から生まれた人間型神が存在しています。

巨人と交わったボルを父に持つ三神、オーディンとヴィリ、ヴェーはしかし、巨人に対して敵愾心を持っていることから、その産みの親であるユミルの殺害を実行します。

考えてみれば三神の祖父、ブーリは塩の氷から生まれたのであってユミルから生まれた巨人と交わったとしても、三神にしてみれば血統的に見れば遠縁には当たりますが直系というわけではありません。

なぜ敵愾心を持ったのかというと、これについては詳しく伝承されていませんが、巨人が無秩序であったことに対して人間型神の三神が秩序を好むということが理由と推測されています。 続きを読む 北欧神話の世界から生まれた人間型神

北欧神話最初の巨人、ユミルの誕生

北欧神話における世界の始まりはギンヌンガガプという巨大で空虚な裂け目です。

ギンヌンガガプに限らず、北欧神話もギリシャ神話同様、いろいろと呼び名があるのですが、一応、その中から多数派と見られるポピュラーな呼び名を採用します。

このギンヌンガガプのおよそ北側という曖昧な場所に氷の国のニヴルヘイムがあり、およそ南側という同じく曖昧な場所に灼熱の国、ムスペルヘイムがあって、ギンヌンガガプにはニヴルヘイムからの凍りつくような冷気とムスペルヘイムの燃え尽くすような熱気が吹きつけていました。

この冷気と熱気がぶつかって霜が発生、その霜から垂れた滴が毒気となり、この毒気から北欧神話最初の巨人、ユミルが誕生します。

ユミルと同時に牝牛のアウズンブラが生まれ、ユミルはアウズンブラの乳を飲みながらユミルの身体(主に足)から次々に巨人を生み出していきます。 続きを読む 北欧神話最初の巨人、ユミルの誕生

北欧神話!神話の共通点

「指輪物語」に出てくるドワーフやエルフが北欧神話の民族であったことに対しては後述するとして、そろそろ北欧神話の本題に向かいましょう。

現在から神の概念をたどると、どうしてもイエス・キリストやモーセといった預言者からの一神教に行き当たりますし、仏教においてもブッダという超越した存在があり、それぞれは人として生きる道を説いていますが、神話の世界とは言ってみれば人間が生きる道以前、自然の畏怖に対して人間はどのように対処すべきか、つまり人間が生きていくためにはどうすべきか、という原始的な信仰が含まれています。

したがって、どの神話を取っても国づくりから始まり、人間に自然の恵みを与える神や人間の生活を脅かす自然の神がいて、それぞれが大掛かりな戦争を行うという、なんともスペクタクルで人間臭い神様が多く登場してきます。

日本の神話然り、ギリシャ神話然り、当然、北欧神話も例外ではありません。 続きを読む 北欧神話!神話の共通点

映画に出てくる北欧神話のイメージ

ドイツのワーグナーによる「ニーベルングの指環」も、イギリスのJ・R・R・トールキンによる「指輪物語」も、どちらも北欧神話をモチーフにしており、両者とも民族的には(根源をたどればという注釈つきで)ゲルマン系になります。

ただし、「指輪物語」が「ニーベルングの指環」からインスパイアされたというのは正しくありません。

トールキンは作家であると同時に文献学者、語学研究家であり、古代アングロサクソン語の研究も行っていたので、当然、北欧神話に対する造詣も深かったことから、物語の類似性は必然と考える方が妥当でしょう。

「指輪物語」も「ニーベルングの指環」同様に長編であり、映画となった「ロード・オブ・ザ・リング」三部作は一部にしか過ぎず、案の定、「ホビット 思いがけない冒険」が製作されました。 続きを読む 映画に出てくる北欧神話のイメージ

北欧神話を土台にした物語

19世紀の偉大な作曲家、リヒャルト・ワーグナーが生み出した「ニーベルングの指輪」は北欧神話をモチーフにしています。

ここでは「ニーベルングの指環」について、詳しい解説は行いません。

なにせ上演時間は約15時間という長編のため、当時、ワーグナーのパトロンだったルートヴィヒ2世は出来上がった作品から上演しろと催促したくらいですから。

黒澤明監督が「七人の侍」を製作していた時、配給元である東宝の幹部がなかなか出来ない作品に対して催促、黒澤明監督は撮れているフィルムの中から予告編を製作したところ、幹部は黙って黒澤明監督の言うままになってしまった、という逸話を思い出します。

同じく黒澤明監督が「白痴」を撮り終えた後、東宝幹部があまりにも上演時間が長すぎることから編集で短くしろと催促、カット部分が多すぎることに「これ以上カットするならフィルムを縦に切れ!」と黒澤明監督が言ったことも思い出されます。 続きを読む 北欧神話を土台にした物語

猫とツキと干支の性格

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