苦しさ痛みを多幸感に変えるエンドルフィン

さて、ここまで登場した神経伝達物質は過激なアドレナリンと報酬系ドーパミン、生体リズム系セロトニンですね。

この代表的な3つの神経伝達物質を紹介するならば、避けて通れないのがエンドルフィン。

これは脳内モルヒネと呼ばれるほど多幸感をもたらす神経伝達物質で、ドーパミンよりもストレートに生命維持に対して報酬を与える物質です。

エンドルフィンの効果をもっとも分かりやすく説明するとしたら座禅です。

いきなりとんでもないところへ飛びましたが、長く座禅を組むとそのうち足が痺れてきますよね。

さらに座禅を続けると痺れが痛みに変わるけれど、その痛みを通り越すと、ふと痛みが途切れ、何も考えられなくなるようなボーっとした気分になってきます。

この痛みを感じさせなくして、思考を止める多幸感こそエンドルフィンの仕業。

痛みは強いストレスになって身体や精神に悪影響を及ぼしますが、その強いストレスを回避できない場合は悪影響が深刻になる前に身体機能を麻痺させて一時的な快の感情を与え、痛みを忘れさせてしまう働きを持っています。

ランニングを続けていると苦しくなってきて足を止めたくなりますが、それでも続けているとやがて苦しさが軽減され、走ることが楽しくなるというランナーズ・ハイもエンドルフィンの影響だと言われています。

このエンドルフィン、鎮静効果はモルヒネの約6.5倍の効果を持っているそうです。

ただし、アドレナリンと同じようにエンドルフィンも短期集中型であり、ストレスを回避しない限り、つまり痛みの根本を除去しない限り、エンドルフィンによる多幸感は一時的なものでしかありません。

このエンドルフィン、かなり依存度が高いので多幸感を求めるためのエンドルフィン追求は体に害を及ぼすので注意してくださいね?

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