怖いドーパミン分泌の減少

ドーパミン分泌とドーパミン受容体の互いが増強しあう関係は依存症を生み出すこともありますが、ほとんどの場合、その依存症は社会的に大きな影響を与えるものではなく、人格形成の一貫に過ぎない程度で、習慣とのボーダーラインも曖昧です。

快の感情がループしていると部屋の掃除がいつもの時間にできないと不快になるとか、毎日勉強しているから風邪を引いていても机に向かってしまうとか、毎日ゴルフの練習をしているから真冬の寒い日でも練習場に出かけるとか、そういう人、いっぱいいますよね?

これらはすべて依存症のうち。

そう考えると、誰でも依存症って持っているものなんですね。

もちろん、重度の依存症もありますが、長くなるのでこの話は別の機会に。

依存症より怖いのは、むしろドーパミン分泌が行われなくなることです。

人間の行動において報酬は重要な動機付けとなりますが、ドーパミン分泌量が少なくなるとこの動機付けが弱くなり、行動に対して意欲がなくなってきます。

若い頃は意欲的でも高齢者になると無気力になっている人は多いと思いますが、これは加齢とともにドーパミンニューロンが死滅しているからです。

20歳までは脳が発達しますが、その後、10歳経過とともにドーパミンニューロンも10%減少するというのが定説で、高齢者が無気力になるのはけっして体力の衰えだけではないのです。

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