「猫の不思議」カテゴリーアーカイブ

密室からの脱走を実行した黒猫

密室からの脱走を実行した黒猫

いきなりで恐縮ですが、私の家には黒猫がいます。

名前はシャーロック。

なぜこの名前がついたかというと、縁あって我が家に来た時、数々のネット情報や資料を統合した結果、最初は家に慣れるまでケージに入れた方が良い、という言葉を信じて最初の夜はケージに入れ、出られないようにしていたのですが、朝になったらちゃっかりケージから出て遊びまわっていたのです。

まるで密室から脱走したかのように。 続きを読む 密室からの脱走を実行した黒猫

猫の脱走劇を紐とく

最初の疑問はなぜ、密室から脱走できたのか、ということ。

ケージは動物病院からお借りした猫用のもので、当然、隙間からは出られません。

最初の夜こそ、出入口のカギをかけ忘れたのかな、という思いもあったことから次の夜からはしっかりとカギを閉めました。

それでも脱走を繰り返していたのです。

もちろん魔術や瞬間移動も一瞬、考えましたが、私は現実主義者であるのでそれらは基本的に信じません。 続きを読む 猫の脱走劇を紐とく

脱走できたのは猫特有の骨格のおかげ

シャーロック(私の家にいる黒猫です)が、というより猫が、ほんのわずかの隙間でも通り抜けることができるのは、骨格が大きく関与しています。

猫は狭い場所へ入り込んだり、片足を上げてお尻の回りまで舐めることができるのも骨格による柔軟性ですね。

柔軟性を作り出している骨格の重要な部分はほぼ全体に及びますが、その中でも鎖骨と肩甲骨、腰椎です。

人間の鎖骨は胸骨や肩甲骨などと連携していますが、猫は鎖骨が他の骨とつながっておらず、体内で浮いているような状態になっています。 続きを読む 脱走できたのは猫特有の骨格のおかげ

猫の跳躍力の話

我が家の黒猫シャーロック、多くの猫と同じように高いところが大好きです。

我が家は散らかり放題なので高いところへ上るためには、かなり足場の悪いところを経由しなければならないのですが、たとえ足場が悪くても家具や雑貨を落としたり壊したりすることなく、器用に上っていきます。

偉いですね。賢い猫ですね。

というバカ飼い主の溺愛ぶりはともかく、ここでは猫の跳躍力の話。

猫は体長の約5倍、約1.5mの跳躍を行うことができます。 続きを読む 猫の跳躍力の話

猫の着地技術はウルトラF級

リオ・オリンピックでは内村航平さんの鉄棒における着地が話題になりましたが、一緒にTVを見ていた我が家の黒猫シャーロックは一瞥しただけで関心も示しませんでした。

まるで「まあ、人間にしちゃたいしたものだろうが、所詮は猫の足元にも及ばないよ」とでも言いたげに。

たしかに猫の着地、内村航平さんでも敵いません。

この着地を決めるのは内耳もありますが、先に筋肉から説明しましょう。

猫が着地をピタリと決めるのは腹筋が発達しているからです。 続きを読む 猫の着地技術はウルトラF級

ウサイン・ボルトも捕獲できる?猫の瞬発力

この記事を書くために、私が我が家の黒猫シャーロックの筋肉や骨格を調べまくっていたら、イライラが溜まったのか猫パンチを私にお見舞いしてくれました。

かなり短気なヤツです。

まあ、猫は捕食動物の中でも犬や狼などのように獲物を長時間追い回して疲労させてから狩るような根気がなく、獲物を見つけたらこっそり近づき、瞬発力で一気にしとめる速攻型なので短気でも仕方がありません。

野生動物ではチーターとかライオンとかタイガーとか、ネコ科の種類は皆、この速攻型ですね。 続きを読む ウサイン・ボルトも捕獲できる?猫の瞬発力

猫は聴覚の動物

我が家の黒猫シャーロックは、私が外出すると必ず帰宅時に迎えに来てくれます。

それも玄関の扉を開けてから来るのではなく、扉を開けた時にはすでにシューズボックスの上に座って待っているんですね。

これはちょっと意外でした。

まるで忠犬ハチ公です。

シャーロックが特別かと思ったら、Youtubeを見ると同じような猫がいっぱいいて、好きな人を迎える行動が犬の専売特許ではなく、猫も持っていることを私、始めて知りました。 続きを読む 猫は聴覚の動物

レーダーのように四方へ動く猫の耳

コスプレでもっともスタンダードな存在がネコミミ、肉球、尻尾です。

まあ、子供がコスプレして「にゃん」などと言っているうちはかわいいものも感じますが、20歳を超えてケバい化粧をしているネコミミを見ると拳を握りたくなります。

ちなみに私が好きなコスプレはバドガールや女教師など大人的、変態的です。

それはともかく。

前述したように猫の聴覚は動物の中でもとくに優れていますが、それをさらに効果的にしているのが耳の動きですね。 続きを読む レーダーのように四方へ動く猫の耳

げっ歯類のコミュニケーションを聞き取る猫の聴力

可聴域とは音の聞こえる範囲のことでHzが単位、数値が低ければ低音となり、高ければ高音となります。

人間の可聴域は20~20,000Hzと言われていますが、加齢とともに高音域が聞こえなくなり、20代後半になると15,000HZが限度と言われています。

いわゆるモスキート音と呼ばれ、子供しか聞こえない音域は17,000Hz前後です。

では、猫の可聴域はというと、25~75,000Hzの広範囲を聞き取ることができるのです。

まさに聴覚の動物と呼ぶに相応しい数値ですが、このように発達した背景には捕獲動物の鳴き声が関連しています。 続きを読む げっ歯類のコミュニケーションを聞き取る猫の聴力

長崎ではカギ尻尾がデフォルト

我が家の黒猫シャーロックの尻尾は見事にL字型、カギ尻尾になっています。

世間様では「カギ尻尾の猫は尻尾に幸運を引っ掛けてやってくる」などと幸せを運ぶ猫と呼ぶこともありますが、我が家ではまったくそんなことはありません。

私はずっと不幸です。

それはともかく。

このカギ尻尾、HES7という遺伝子が大きく関わっており、けっして珍しいことではありません。 続きを読む 長崎ではカギ尻尾がデフォルト

猫又の民族伝承

日本には古くから猫又伝説があります。

猫が人間を襲う猫鬼は隋の時代から、猫又は鎌倉時代の古今著聞集から登場していますが、イエネコが猫又に変身するのは江戸時代の怪談集「宿直草」や伊勢貞丈の「安斎随筆」、さらに妖怪絵巻や百怪図巻などで猫又が描かれたことから一般庶民に猫又伝説が広がりました。

猫又とは長く飼われた猫がやがて尻尾を二股にして人間をたぶらかしたり襲ったりする妖怪のことです。

この猫又伝説が元になり、尻尾が長くて真っ直ぐな猫は猫又になりやすく、カギ尻尾であれば猫又になりにくいという理由から、江戸時代にはカギ尻尾の猫が好まれました。 続きを読む 猫又の民族伝承

忠義心をまっとうできなかった化け猫

猫又以上に、猫の妖怪として知られているのが化け猫です。

猫又と混同されることが多いのですが、厳密に言うと違いがあります。

化け猫が有名になったのは「鍋島の化け猫騒動」からでしょう。

江戸時代の寛永から元禄にかけての頃ですね。

佐賀藩の藩主、鍋島光茂の碁の相手を務めていた臣下の龍造寺又七郎、光茂の機嫌を損ねてしまったために斬殺されてしまいます。

息子の死を不憫に思った母、飼っていた猫に恨み辛みを語って猫の前で自害、その流れた血をすすった猫が妖怪に変身し、城内に入り込んで光茂に怨念をぶつけるわけですね。 続きを読む 忠義心をまっとうできなかった化け猫