「月に吠える」の中の一篇

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犬が月に吠えれば人間も月に吠えます。

吠えた人、萩原朔太郎ですね。

大正時代に口語象徴詩や抒情詩の新領域を開拓、近代詩の礎を築いた詩人で、第一詩集となった「月に吠える」は森鴎外から絶賛されました。

理屈より実物、とにかく「月に吠える」から、「悲しい月夜」を紹介しましょう。

ぬすつと犬めが、

くさつた波止場の月に吠えてゐる。

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たましひが耳をすますと、

陰気臭い声をして、

黄いろい娘たちが合唱してゐる、

合唱してゐる。

波止場のくらい石垣で。

いつも、

なぜおれはこれなんだ、

犬よ、

青白いふしあはせの犬よ

…なんというか、インパクトはあるけれどシュールですよね。

「月に吠える犬は自分の影に怪しみ恐れて吠えるのである。疾患する犬の心に、月は青白い幽霊のやうな不吉の謎である。犬は遠吠えをする。
私は私自身の陰鬱な影を、月夜のち上に釘づけにしてしまひたい。影が永久に私のあとを追つて来ないやうに」

これは萩原朔太郎が自身によるタイトルの説明ですが、これを読むと「悲しい月夜」の心情がなんとなく伝わってきます。

萩原朔太郎は長男に生まれたことから朔の字が用いられました。

これまでに何度も登場してきた月齢の始まりの意味を持つ言葉です。

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