陰陽思想から発展した易経

森羅万象に通ずる陰陽思想は、その万有性から占術に応用されるようになりました。

それが易経です。

易経では卦と呼ばれる方法で占術を行います。

爻(こう)と呼ばれる棒には「─」と「- -」の記号が書かれており、「─」は陽、「- -」は陰で、陽爻と陰爻を3つ重ねて八卦、八卦を2つ重ねた64卦は森羅万象を表し、陽爻と陰爻の組み合わせによって予言を行います。

日本では「当たるも八卦、当たらぬも八卦」でよく知られる占術ですね。

しかし儒教において易経は儒教を表す五経の中でも筆頭に上げられる経典であり、易経を使う占術師は時として政治や合戦において重宝され、予言が当たらなければ命を落とすほどの重大かつ切実な占術でした。

易経は風水にも大きな影響を及ぼし、風水の理気にも取り入られていますが、日本では前述した故事のように卦は単なる占いのひとつ、としか受け入れられておらず、むしろ陰陽思想に近い五行説が取り入れられ、陰陽思想と融合しました。

もちろん、この五行説も中国が発祥で、戦国時代の陰陽思想家によって創案されています。

紀元前300~200年頃の話ですから、西洋の4大元素説に比べるとずいぶん、早くから元素説を見出していたことになりますね。

関連記事(一部広告含む):