自己啓発書の可能性

コーヴィー氏の『7つの習慣 個人、家庭、会社、人生のすべて-成功には原則があった-』はとても卓越した内容の本です。

なぜか日本では『-成功には原則があった-』という副題が勝手につけられ、いかにも成功への近道の指南書と勘違いされる向きもありますが、内容は至極まっとうなことが実直に書かれています。

まるで子供の頃、母親や祖父、祖母から諭されるように。

もっとも、この『7つの習慣~』を実践した時に得られるのは人生の幸福感であり、それを『成功』と思えればいいのですが、巨万の富を得られることこそ『成功』と考えているようであれば、また別の自己啓発書を求めることになるでしょう。

たった1冊の本で巨万の富を得られるようになったとしたら、その本は未来永劫のベストセラーであり、やがて地球上すべての人が巨万の富を手にすることになります。

本当にそんな夢のような本があったらいいのですが、残念ながら世界でもっとも売れている書籍の聖書でさえ、キリスト教徒以外、ほとんど読む人はおらず、したがってすべての人を幸福にする書籍は現存しません。

この自己啓発書のムーヴメント、何十年かに一度は大きな波が訪れるようで、コーヴィー氏の前にはご存じ、ジョセフ・マーフィー氏がいました。

彼の書いた著書『眠りながら成功する-自己暗示と潜在意識の活用』は1963年に初版発行と古いのですが、日本でヒットしたのは2000年代に入ってからのこと。

こちらの日本語タイトルも、原題が『THE POWER OF YOUR SUBCONSCIOUS MIND』であることを考えると、かなり強引ですね。

もっとも、マーフィー氏の書いた中身もかなり強引ですから仕方ないのかもしれませんが。

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