「神話シリーズ」カテゴリーアーカイブ

ランスロットの忍耐強さ

反逆の罪で告訴された妃グイネヴィア、訴えたマドールとの戦いに代理人のポールスが勝たなければ火炙りの刑に処せられます。そして決闘の時。

ポールスはマドールをまったく寄せ付けず圧勝、妃は火炙りの刑を免れますが、ポールスは鎧も脱がずに立ち去ります。

そう、マドールと対決したのは決闘の朝、ポールスの前に立ったランスロットでした。

ポールスの鎧を借り、決闘の身代わりをして姿を消しましたが、後にポールスは事の顛末をすべてグイネヴィアに話したことから、ランスロットと和解、ランスロットはアーサー王の元に戻ったばかりか、グイネヴィアとさらに深い恋仲になっていきます。 続きを読む ランスロットの忍耐強さ

12人の騎士を返り討ちにしたランスロット

ラブコメやソープオペラ調はここまで。

ここからはアーサー王のクライマックス、騎士道精神の山場となります。

妃グイネヴィアと密通を続けるランスロットですが、ランスロットは何度も王や妃を助けていることや剣の達人、アーサー王に対する忠誠心から配下の騎士も多く、アーサー王や甥のガウェインは黙認状態でした。

しかし、それを面白くないと思う騎士もいます。その1人がアグラヴェイン。 続きを読む 12人の騎士を返り討ちにしたランスロット

グイネヴィアを助けに参上のランスロット

12人の騎士を失ったアーサー王、ランスロットと並ぶ甥の騎士であるガウェインとその息子、ガヘリスとガレスに厳重な装備をさせて妃の処刑の列に加わるように命じます。

しかしそんな辛い仕事はできないとガウェインは断り、ガヘリスとガレスも王妃に対する経緯から武装をせずに列に加わることにしました。

そして処刑の場所へなだれ込んでくるランスロットとその配下。

王妃を助けださずになんのための騎士団か、とばかり、歯向かう者を切り捨てる騎士団。 続きを読む グイネヴィアを助けに参上のランスロット

ランスロット、フランスに帰る

喜びの砦に立てこもり、戦おうとしないランスロット一味に対してアーサー王の軍勢は卑怯者と詰ります。

さすがに卑怯者の汚名を浴びせられれば出ないワケには行きませんが、ランスロット、配下にキツくアーサー王とガウェインだけには手を出すなと釘を刺します。

ポールスは巧みに馬を操り、アーサー王を落馬させれば戦いに決着がつく、と実行しますが、ランスロットはそれすら諌め、落馬したアーサー王を抱き起こすと戦いを止めるように提言します。 続きを読む ランスロット、フランスに帰る

モルドレッドの謀反

息子2人をランスロットに殺された円卓の騎士ガウェインは15日以内にイングランドから退去するように命じます。

それに従い、母国フランスに帰るランスロットと多くの配下たち。

しかし、ガウェインは収まらず、アーサー王を説得してフランスまで遠征に出向きます。

留守を任せるのは甥のモルドレッド。

ガウェインは何度もランスロットに立ち向かいますが決着がつきません。 続きを読む モルドレッドの謀反

アーサー王の死

モルドレッド軍との戦いで、今や風前の灯火となったガウェインはアーサー王の腕に抱かれて言います。

「もし、自分が和睦に反対しなければ…ランスロットを許していたら…こんな事態を招くことはなかったでしょう。ランスロットに手紙へ手紙を書かせてくれまいか」と。

その手紙の内容は「私は死ぬ。君に責任はない。どうか、すぐにイングランドへ戻って王を助けて欲しい」。

しかしその手紙が届く前にモルドレッドとアーサー王の戦いは決着がついてしまいます。 続きを読む アーサー王の死

過去の王にして未来の王

以上がトマス・マロリー著「アーサー王の死」のダイジェスト版です。

かなり駆け足ですが、一応、アーサー王物語のツボぐらいは押さえてあるはずです。

本当は最後のモルドレッドとの戦い、すごく面白いのですが、かなり長いので割愛しました。

他にも面白いエピソードはいろいろあるのですが、それらも文章量の都合でカットしています。

聖杯探索に関してはかなり意図的に割愛していますが。 続きを読む 過去の王にして未来の王

日本の神様は八百万!日本神話初級講座

日本人として生まれると、特定の宗教の洗礼を受けない限り、神様にお祝い事を感謝したりお願い事を申し出たりします。

新年を迎えた時のご挨拶(初詣)から豆を撒いて邪鬼を祓い、幸運を招き入れる儀式(節分)、夏になれば半年の穢れ(けがれ)を祓って残りの半年を無病息災で過ごすお祭り(大祓、茅輪くぐり)、秋になれば作物の実りを感謝し、子供の成長を祝って健康を祈願する七五三、年末になれば1年の感謝を込めて氏神様の御守を神社に預けて大晦日にお焚き上げの神事。 続きを読む 日本の神様は八百万!日本神話初級講座

意外と知っている日本の神様たち!日本神話初級講座

八白万もいる神様なんてわからない、とか、自分たちが祈願している神社にどんな神様がいるのか知らない、という言う前に、ちょっと思い出してみましょう。

じつは私たち、日本の神様については何柱か、確実に知っているのです。

たとえば天照大御神(あまてらすおおみかみ)。

簡単に言ってしまうと、弟である健速須佐男命(スサノオノミコト)が乱暴者で困り、洞窟(天岩戸)に閉じこもってしまうというお話の主人公ですね。 続きを読む 意外と知っている日本の神様たち!日本神話初級講座

神話の始まりは古事記と日本書紀!日本神話初級講座

日本の神々の話をする前に、なぜ神々の話が生まれたのかを先に説明しておきましょう。

古代において天皇が国家を統一するようになれば、その天皇はどこから来たのか、という正史、つまり正しい歴史が必要になります。

それを追求すれば日本はどうして誕生したのか、というところまで行き当たりますね。

本来は地球の地殻変動と民族の大移動によって日本の大地と日本国民が誕生したのですが、それを言っちゃ神話になりません。 続きを読む 神話の始まりは古事記と日本書紀!日本神話初級講座

最初は混沌から始まる物語!日本神話初級講座

では、古事記と日本書紀に則って、日本神話を時系列に追ってみましょう。

古事記と日本書紀は細部や名称において違いが見られますが、大筋は同じです。

進行上、古事記と日本書紀の物語が混在しますが、そこは大目に見てくださいね。

さて、世界の始まりですが、ギリシャ神話がカオス(混沌)だったように、北欧神話がムスペルヘイムとニヴルヘイム(火と氷)だけだったように、日本神話も存在のないところから始まります。 続きを読む 最初は混沌から始まる物語!日本神話初級講座

伊耶那美命と伊耶那岐命の登場!日本神話初級講座

混沌の中から重く濁ったものが沈殿してできた大地、固まらぬうちにそこから誕生した3柱の国常立命(クニノトコタチノミコト)、国狭槌尊(クニノサツチノミコト)、国狭槌尊(トヨクムヌノミコト)。

日本書紀において、これらの神様のその後の記述はなく、続いて性別を持った4組8柱の神様が生まれます。

この辺り、古事記と日本書紀では違いがあるのですが、それを解説すると長くなってこのコラムが終わってしまうので、先を急ぎましょう。 続きを読む 伊耶那美命と伊耶那岐命の登場!日本神話初級講座