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フロイトとユング

では、夢はまったく個人の役に立たない、無用の産物なのでしょうか?

一概にそうとも言い切れないところが夢の面白いところでもあり、だからこそ夢、つまり脳の研究が進められているワケですね。

前述したように、夢が後世に残る発明や芸術の端緒にもなりましたが、それらが端緒となった原因を探る前に、現在の夢の研究がどのように進んでいるのか、それを検証していきましょう。

夢が、古代から続いていた占いやお告げから切り離されたのは前出のフロイトとユングによる夢分析が提唱されてからです。

フロイトはスイス出身で1856年生まれ、ユングはドイツ出身の1875年生まれですから、ほとんど同世代と言ってもいいでしょう。 続きを読む フロイトとユング

潜在意識が希望を叶える夢になることはない

夢はなぜか潜在意識と結びつけられます。

そも、潜在意識という言葉がどこから生まれたのかよく分かっていません。

おそらく、精神分析学のジークムント・フロイトや分析心理学のカール・グスタフ・ユングが意識の存在に対する領域として用いた無意識が、いつの間にか自分に取って都合の良い夢物語の実現のために、顕在意識の対語として潜在意識という言葉が生まれたのでしょう。

ここで無意識を説明するとテツガク寄りになってしまうので省きますが、夢に意味を持たせようとする人の多くは、顕在意識が睡眠によって消失状態になっているため、潜在意識(無意識)が個人に取って有利な情報を流している、という独特の理論を持っています。 続きを読む 潜在意識が希望を叶える夢になることはない

予知夢の訓練は無駄な行為

予知夢にはまったく根拠がなく、偶然でしかありません。

しかし、世の中には予知夢を売り物にしている人もいます。

大抵は曖昧、抽象的な表現を用いて事象を表し、結果から抽象を解説するわけですね。

手品よりもタチが悪いのですが、なぜかこれに引っかかる人が多くいます。

個人だけならともかく、予知夢を売り物にする人は時に、大災害までも自分の広告材料にし、「事前にこの悲劇を夢で見ていた!」なんてことを言ったりもします。 続きを読む 予知夢の訓練は無駄な行為

予知夢は単なる偶然

夢が現実世界に及ぼす恩恵、今度は予知夢と呼ばれる現象です。

夢で見たことが近い期日のうちに現実となる夢のことですね。

この予知夢の例、もっとも多いのがお金にまつわる話です。

たとえば宝くじ。

高額当選者の声の中には必ず予知夢が出てきます。

「大金を手にして夫婦で大喜びしている夢を見たので宝くじを買ったら当たった」とか「夢に出てきた数字を書き留めたけれど意味が分からないのでとりあえず宝くじを買ったら当選した」とか。 続きを読む 予知夢は単なる偶然

世界初のSF小説も夢から誕生

夢が現実の世界にもたらせた恩恵、もうひとつ紹介しましょう。

今回は小説です。

1816年、「夏のない年」に詩人バイロンが借りていたスイスの別荘、ディオダディ館にバイロンを含む5人の男女が集まります。

前年、インドネシアのタンボラ火山が噴火したことにより、北半球全体が火山灰によって覆われ、寒冷化していた影響で(これが「夏のない年」の理由です)、男女5人は外出もままならず邸内で過ごしていました。

あまりにも退屈だったので、バイロンは「1人ずつ怪奇譚を作って発表しよう」と提案します。

まるで中学生みたいですね。 続きを読む 世界初のSF小説も夢から誕生