ヨーロッパでは泥人形が身代わりに

厄年の風習はヨーロッパに行くと各地で点在しています。

イギリスやドイツなどのキリスト教圏、トルコやエジプトといったイスラム教圏など宗教に関わらず風習として残っていることが特徴で、厄年の歳回りも下一桁で計算する、あるいは定期的周期で計算するなど基本的にはアジアの厄年とあまり変わりがありません。

厄祓いには木の実を歳の数だけ食べるという日本の節分にも似た方法がありますが、各地で目につく共通の方法は泥人形を川に流すという風習。

そこで思い出されるのがユダヤ教の伝承に登場するゴーレム。

作った主人の命令に忠実な泥人形で、厳格な制約を守らないと凶暴化する怪異ですね。 続きを読む ヨーロッパでは泥人形が身代わりに

韓国の厄年は3つの災難を表す三災

お隣、韓国にも厄年があり、これを三災(サムジェ)と呼びます。

歳の数え方は中国と同じく干支が厄年となりますが、異なる天は干支の年が本厄、その前年と後年をそれぞれ前厄と後厄とするので、9年毎に厄年が来る計算ですね。

ちなみに三災とは前厄、本厄、後厄があるからではなく、天から来る天災、地から来る事故、人から来る詐欺の3つの災難を表しています。

この三災に入ると八難が訪れるといい、本人だけでなく家族や友人も被害に遭う可能性が増え、さらに金銭の流出や疫病にかかるという、まさに不幸のどん底に陥る3年間と言われています。 続きを読む 韓国の厄年は3つの災難を表す三災

中国で自分の干支が厄年になる理由

厄年、つまり人生の中で災厄に見舞われる歳という考え方は日本古来のものだけでなく、世界各地に共通している認識で、そこには近代宗教の壁もないことから人間の根源的な認識であることが伺えます。

それでは世界各地の厄年を見てみましょう。

まずは日本の厄年の原型を作った中国から。

日本の平安時代、つまり中国では明の時代、風水や陰陽五行から厄年が割り出され、一般的には7歳から厄年が始まっていましたが、現在は自分の生まれた干支の年が厄年となっているので12年に1回、厄年が訪れることになります。 続きを読む 中国で自分の干支が厄年になる理由

厄病神には小豆の粥が効果的?

ところで、厄年に降りかかる可能性が大きくなる災厄とはどのようなことでしょう?

離婚だとか会社から解雇されるとか、食中毒とか物を盗まれるとか、確かにこれらも災いではありますが、本来の厄とは異なります。

厄、とは厄病神という言葉からも分かるように疫病を主に指します。

厄病神は疫病神とも表記されていたのが平安時代のこと。

この時代、医療は民族信仰に頼っていた部分もあり、流行病や治療不可能な重病はいわゆる物の怪(もののけ)、怨霊、悪鬼といった目に見えない存在によって操られていると思われていました。 続きを読む 厄病神には小豆の粥が効果的?

厄年は数え年で計算する

春風亭昇太師匠が入門したのは23歳だから厄年ではないでしょ?という疑問をお持ちの人に回答しましょう。

厄年は満年齢で数えるのではなく、女性の子宮内にいる時から計算する数え年になります。

したがって出産と同時に1歳となり、新年を迎えると2歳。

12月31日に生まれた赤ちゃんでも翌年の1月1日、つまり2日しか経っていなくても数え歳は2歳になるわけですね。

自分の年齢を言う時「今年の誕生日を迎えると◯◯歳です」という表現を使いますが、これに1歳足した歳が数え年の計算方法と覚えておけばいいでしょう。 続きを読む 厄年は数え年で計算する

猫とツキと干支の性格

Copyrighted Image