失敗から逃げる者に再起のチャンスはない

長いこと、銀行の貸付係をやっていたある人がこんなことを話してくれたことがある。「過去に倒産したことのある人に対しても、銀行は出資することがあります。そして、この人が今度は成功するか、失敗するかは、私にも解りません。事実、以前に失敗した人でも、その後で、事業を成功させた人は何人もおります。

しかし、私は次のような人だけは、銀行の融資対象には決してすべきではないという信念を持っております。それは、倒産した時、債権者たちから逃げてしまった人です。つまり、夜逃げですね。私の知る限りにおいては、この種の人は、再び他人に迷惑をかけるタイプの人です。倒産しても、その後始末をつけた人は、まだ信用に足るのです。これに反して、逃げ廻ったりした人は、危険で、信用することができません」 続きを読む 失敗から逃げる者に再起のチャンスはない

現在の段階をいとわず、未来の希望に燃えよ

しかしながら、リーダーたり得る者は、決して召し使いの仕事に安住してしまう者でもない。多くの人々は、現在自分が従事している仕事をいやいやながら、しかも他の仕事に移れる勇気と能力もないままに、惰性のようにつづけているものである。これは、この世における物質的成功のうんぬんをいう以前に、もうすでに不幸な状態にある人々だといって差しつかえあるまい。

現在に何の希望も持たずに働いていることは正に不幸な人生そのものではないだろうか?リーダーたり得る者は、現在の段階をいとう者ではない。しかし同時に、そこからの向上発展の希望に燃えつつある者でもあるのだ。

リーダーは召し使いの仕事もやれ

「格好が悪い」とか「体裁が良くない」とかいって、自分のやっている仕事を恥ずる者に幸運の女神は微笑まないものである。「みじめなことはしたくない」という気持ちがある者は、まず、人の上に立つことの出来ない素質を持った者だといってさしつかえない。「私にはプライドがある」「面子というものがある」という人間は、逆に自分自身についての自尊心がないのである。

なぜならば、もし、自分に自信があれば、他人の評価などには、傷つかないものだからだ。プライドがあるなどといって、みっともない仕事を避ける者は、逆に世間の人のいうことを常に恐れ、気にしている劣等感の持ち主なのである。有能なリーダーとなれる者は、また、どんな召使いの役割りも平然とやってのけられる者なのだ。

相手に優越の喜びを与えよ

「他人の自己重要感を高める者は、その見返りとしての報酬を受ける」これは正に真理である。実業界におけるトップクラスの成功者は、多くの場合、非常に腰が低くて、それに接する人をしばしは驚かせる。

それは「みのるほど頭(こうべ)のさがる稲穂かな」という古語の示すとおりである。

被らは、相手の自己重要感を高め、満足させ、その結果として、莫大な報酬を受けたのだ。ところで、相手の自己重要感を高めるには二つの手段がある。 続きを読む 相手に優越の喜びを与えよ

相手の顔に笑いの表情をもたらせ

マホメットは次のようにいったという。「この世の中で最も素晴しいことの一つは、他人の顔に笑いの表情をもたらすことだ」。デール・カーネギーは次のようにいった。「相手を腹の底から笑わせることができれば、友人になる道が開ける。相手が一緒になって笑うのは、いくらかでもこちらが好きな証拠だ」ところで、ここで「人間の笑いには二種類の要素がある」ことも知らなければならない。

その第一は「相手に好意を示す笑いである」そして、その第二は「優越の笑い」である。実際のところ、相手を笑わすのは、この第二であることが多い。すなわち、自分のヘマなことを相手に話すと相手は笑う。そしてこの笑いは優越の笑いであり、しかもそれは相手の自己重要感を高めてあげる働きをするのだ。しかし、この「優越の笑い」にはやがて「好意の笑い」がダブってくるのである。

猫とツキと干支の性格

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