湯川秀樹博士の「中間子理論」も夢がヒントに

夢がきっかけとなった発明・発見というのは意外と多い。

たとえば、あのミシンの発明も、夢が大きなヒントとなっていた。

イライアス・ハウという人が、今のミシン針を完成させたのだが、最初はなかなか良いアイデアが浮かばずに、彼は開発に行き詰っていた。

ある時、彼は夢を見た。

ミシンが開発できないため、槍を手にした野蛮人から処刑されるという夢だ。

だがよく見ると、その野蛮人たちが、上下に激しく振っている槍の先には、穴があいているではないか。

「これだ!」と、彼が言ったかどうかは定かではないが、その槍の先の穴こそ、ミシン針のヒントとなった夢の映像だった。

ベンゼン環の化学構造が六角構造であることを発見してノーベル賞をとった、あの化学者のケクレも、やはり当初の研究では、その化学構造の謎に日夜悩んでいたのであった。

ある時、彼は不思議なヘビの夢を見た。

ヘビは不思議な動きをし、やがて自分の尾をかむと、そのままグルグルと回りだした。

夢からさめたケクレはその姿を書き留め、それをヒントにベンゼン環が六角構造であることを見抜いたのだ。

わが日本のノーベル賞受賞・物理学者である ⇒ [[湯川秀樹>https://nobel.arayax.com/03/98.html]]博士の「中間子理論」にしても、やはり夢がそのヒントになっていたという。

ケクレと同様、湯川博士も夢を書き留めていた。

芸術の世界でも、夢は大きな貢献をしている。M・シャガールの「顕現」と題した絵は夢をヒントにしているし、スティーブンソン(イギリスの作家)の「宝島」という小説もその内容の大部分を夢の体験から得ていたという。

日本では、聖徳太子が著作の執筆中に生じた疑問を抱えて、持仏堂(じぶつどう)に籠っていると、夢の中に金色の人が現れて、疑問を解いてくれた。

それが法隆寺「夢殿」の名の由来である。

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