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闘争と逃走を我慢することがストレス

前項では突発的危機状況になると外敵の攻撃に対してFight or Flight、逃走か闘争か、という本能的行動を起こすためにアドレナリンが分泌されることを説明しました。

とはいえ、現代社会では即物的本能で生きていくことは難しいので、怒りや震え、怯えの原因を作った相手に対し、即物的な闘争や逃走は現実的ではありません。

最近、怒りや怯えを感じると直接的行動に出る人が増えてきましたが、こういった人たちほど動物的本能に近い行動体系を持っている可能性が高いといえるでしょう。

直接的行動を起こさないのはさまざまな理由があるからで、その理由のために直接行動を我慢するわけですね。 続きを読む 闘争と逃走を我慢することがストレス

ストレッサーとストレス、プレッシャーの違い

いかにストレスを解消するか、という最終的な命題の前に、ストレスに関する語句の整理を行いましょう。

仕事で失敗し、上司やクライアントに怒られたという事例を例に取ります。

ここでストレスとなるのは、上司やクライアントに怒られたことによって発生した怒りや怯えを我慢する、というのがストレスです。

怒られた、という状況はストレスの要因、つまりストレッサーですね。

ストレッサーがあるから、次に怒られないように仕事をしよう、あるいはまた怒られるかもしれない、という感情を持つことがストレス、と思っている人もいますが、これはストレスでもストレッサーでもなく、精神的重圧、つまりプレッシャーです。 続きを読む ストレッサーとストレス、プレッシャーの違い

逃走も闘争もストレスに対する結果は同じ

前項で説明したプレッシャーとストレッサー、ストレスの違いを別の例で紹介しましょう。

今度は人間関係です。

知り合い仲間の1人が自分の陰口を言っていた、とか、些細なことから喧嘩になった、というのはよくある話ですが、コミュニティの中で喧嘩をすると、必ず誰かがどっちの味方をした、とか信用していたのに誰々が裏切った、だの、とかく精神的な疲労を引き起こすことがよくあります。

これを例に取ると、喧嘩をした、陰口を聞いた、というのがストレッサーであり、そこで起きた怒りという感情を押し殺す、我慢することがストレスであり、知り合いと会いたくない、あるいは仲直りしなければならない、というのがプレッシャーです。 続きを読む 逃走も闘争もストレスに対する結果は同じ

プレッシャーとの非対峙は単なる逃走行為

前項で人間関係におけるストレスの一例をストレッサーに対する行動体系で解決方法のひとつを提示しました。

遡って、同じ方法を仕事例に当てはめてみましょう。

仕事の失敗は単なる状況で、上司やクライアントに怒られるというのがストレッサー、それに対する身体的反応を我慢することがストレス、そして次にまた失敗すれば怒られるというのがプレッシャーですね。

これをストレッサーに対する本能的行動、闘争か逃走に当てはめると、次の仕事を成功させるという行動は、次に失敗したらまた怒られる、失敗できないというプレッシャーがつねにつきまとうので闘争的行動になります。 続きを読む プレッシャーとの非対峙は単なる逃走行為

プレッシャーが引き起こす身体的損傷

ストレス、それを引き起こすストレッサー、さらに行動体系を自分の意思で決定させるためのプレッシャーと3つの要素を整理すれば、ストレスとうまく付き合う方法、ストレスを解消するための方法の基本的原理が見えてきたことでしょう。

ただし、ここで混同しがちなのがストレスを重ねることによる心身の損傷と、プレッシャーと対峙せずに行動を後回しすることによる心身の損傷です。

前者の場合、直接的に心身へ影響が出ます。

もっとも分かりやすいところでは神経性胃炎と俗称される腹部の痛みですね。 続きを読む プレッシャーが引き起こす身体的損傷

これがストレスと上手く付き合うための十ヶ条!

前項まで、ストレスの仕組みについて解説しました。

ここまで記述すると、ストレスに悩む人でもある程度の解決策が見えてくるので、そろそろ十ヶ条を記述しましょう。

1.ストレスの仕組みを知る!

2.ストレスとストレッサー、プレッシャーの違いを理解する!

3.プレッシャーをストレスと混同するな!

4.ストレスの解消法は逃走か闘争か、この本能を利用する!

5.自分の抱えているストレスを理解する! 続きを読む これがストレスと上手く付き合うための十ヶ条!

ストレスで深刻な症状が出た時は本格的な治療を

ここからはストレスを抱えているけれど、日常生活に支障をきたすほど深刻な状況ではない人を前提に記載していきます。

ストレスの種類には強烈なインパクトを持ち、蓄積型ではなく精神的に深いダメージを与えるタイプもあり、1度のストレスがパニック障害や社会不安障害を引き起こすこともあります。

現在、医療でもパニック障害や社会不安障害を即座に治療できる方法はなく、結局のところ、自分自身でストレスを取り除いていく、上手く付き合っていくのが最終的な改善策となりますが、ストレスの種類によっては近親者にも話せない悩みであることも多く、やはり医師との相談、助言が必要になります。 続きを読む ストレスで深刻な症状が出た時は本格的な治療を

ストレスの耐性は人それぞれ

さて、ストレスと上手く付き合う方法の第5条では、自分のストレスを理解する!という項目を立てました。

何がストレスなのか?

これは大体、誰でも検討がつきます。

もちろん、人の数だけストレスの種類はありますが、大雑把に言ってしまえば人間関係、仕事関係、家庭内の問題、金銭問題、恋愛関係など、ある程度のジャンル分けは可能となります。

ここで不思議なのが、同じようなストレッサーを体験していながら、自分だけはストレスとなり、他の人はそれがストレスとならない場合があることです。 続きを読む ストレスの耐性は人それぞれ

カミングアウトでストレスの予防を

前項では自分のストレスを理解することが大切、他の人と必ずしもストレスの耐性が同じではない、と説明しました。

この項では、例を上げて他の人とストレス耐性の違いにおけるストレス予防法を説明しましょう。

仕事を例にすれば、必ず仕事の内容に向き不向きがあります。

本来であれば組織が人員の適正を考慮し、適所に配置すれば効率は上がるのですが、組織の機能や能力が低いと実現が難しく、時には本人の意向に関わらず不適所に配属されるのはよくあることです。 続きを読む カミングアウトでストレスの予防を

恋愛もじつは大きなストレッサーを抱えている

自分のストレス耐性の弱い部分を先にカミングアウトしてしまうのは仕事だけに有効な手段ではなく、ストレスの予防策としていろいろな方面で活用できます。

たとえば恋愛とか。

恋愛は仕事や人間関係に劣らぬほどストレスを生じさせます。

好きな異性が前にいればドキドキしますが、これは突発的な現象によってアドレナリンが大量放出、身体的な危険察知を知らせて闘争か逃走の選択を迫る兆候と前述しました。

異性を前にして分泌されるドーパミンの闘争本能とは、すぐに異性を自分の遺伝子パートナーとして選ぶための求愛行為を行うこと。 続きを読む 恋愛もじつは大きなストレッサーを抱えている

好きになったら無理をしないでカミングアウトを

恋愛のストレスに対する予防策も仕事と同じようにカミングアウトしてしまうことです。

好きな異性を前にしてドキドキすると、アドレナリンの分泌がさらに活発化、逃走か闘争の本能が強まってしまい、うまく話せない、好きという感情を伝えられない、などのストレッサーを発生させてしまいます。

さらに次は上手く話そうとか、必ず好きという感情を伝えるなど、自分を追い込んでプレッシャーのハードルを高くしてしまう傾向にあります。

結果、男性でも女性でも自分に不釣合いな洋服を選んだり、経験もないのに高級なレストランに連れていって恥をかいたり、などさまざまな失敗を重ね、自己嫌悪に陥るわけです。 続きを読む 好きになったら無理をしないでカミングアウトを

耐性が強いからといって必ず成功するとは限らない

ストレスと上手く付き合う方法の第6条は、ストレスは経験値を高めるチャンスだと思え!です。

前項では恋愛もストレスの対象であり、恋愛経験の少ない人はそれをカミングアウトすることでストレスの予防策になると紹介しました。

仕事の項では自分はストレスを感じているのに同じ環境下でもストレスを感じない人がいると前述していますが、恋愛でも同じく素敵な異性が目の前にいる場合でも、いつもと同じように、あるいはそれ以上に饒舌になったり、普段とは違う態度を取れたりする人もいます。

もちろん、これらの人でも若干のストレスを持っていますが、ストレッサーに対して耐性があるのでプレッシャーにも強いわけですね。 続きを読む 耐性が強いからといって必ず成功するとは限らない