「言葉の力と名言集」カテゴリーアーカイブ

モノの性質を伝える子音だけの音!言葉の摩訶不思議学

学術的な調査によると、エジプトのナイル川西岸の「王家の谷」近くの砂漠で、紀元前1900年から1800年ごろの最古のアルファベットが見つかったという報告がありました(1999年)。

それによると、「現在の『M』に相当する文字は水を表すエジプト象形文字から発展した波形の文字」ということです。

たしかに、大文字の「M」でも、小文字の「m」でも、波型に見えるのは、この影響を受けているのでしょう。ちなみに星座の「水瓶座」のシンボルマークである3本の波線も、文字どおり「波型」「波動」の象徴だということですが、やはりこれも形が「M」や「m」に近いことが分かります。 続きを読む モノの性質を伝える子音だけの音!言葉の摩訶不思議学

擬態語の効用!言葉の摩訶不思議学

さて、多くの言語には「擬態語」や「擬声語」といった、音をまねて作った語があります。日本語において、擬態語は「キラキラ」「ピカピカ」など、もともとは音のないものを感覚的に表現したものであり、擬声語の方は「ワンワン」「ガタガタ」など、ある動物の音声や物音などをまねて作ったものなどがあります。

 
「煙がモクモクと舞う」とは言っても、「煙がガグガグと」などとは決して言わないように、ある事物を表現するのにも、それに相応しい音があることがわかります。 続きを読む 擬態語の効用!言葉の摩訶不思議学

古い言語ほど音に力がある!言葉の摩訶不思議学

こんどは「母音」について、少し触れてみようと思います。母音にもそれぞれがもつ性質があります。言語によって、母音もいろいろありますが、「A」の音は広がっていく感じを与え、反対に「U」では閉じていくような感じを与えます。

つまり「U」はすぼまる感じです。「E」も広がりますが、「A」ほどではない感じです。また、「I」は「ビイイイ」と、それこそビーム状にどこまでも伸びていく感じがします。そして、「O」の音では「広大さ」「大らかさ」といった印象をもたせます。つまり、口の開き方とある程度一致しています。気合いを入れる際にも「ヤー」か「オー」です。「イー」や「ウー」では力が入らないからです。 続きを読む 古い言語ほど音に力がある!言葉の摩訶不思議学

音は形をつくる、形はイメージをつくる!言葉の摩訶不思議学

先ほどは「音とイメージの関係」について触れたのですが、ここでは「音とイメージと、そして形の関係」について述べています。そういえば、「蛇の音」である「S」は、そのアルファベットの形もどことなく「蛇の姿」に見えるではないですか。

子音文字の形の場合は、それぞれの言語で多様なバリエーションがありますが、母音のアルファベットの形に目を向けますと、少なからずその形に共通点が浮かび上がってきます。 続きを読む 音は形をつくる、形はイメージをつくる!言葉の摩訶不思議学

音声(発声)を図形に変換する装置!言葉の摩訶不思議学

では、ほんとうに「ある音」が「ある形態(形状)」を形作るということがあるのでしょうか? それも簡単な実験器具によって、確かめられます。すなわち、「クラードニ図形」として知られる、れっきとした物理現象によるものです。

これは、金属板の上に、砂や塩、あるいは何かの胞子など粉体を均一にまいてから、金属板の端をバイオリンの弓、あるいは細い棒などで、こすっていくとそのときの振動具合によって、粉体上に様々な模様(パターン)をもたらすというものです。こする際の振動に応じて、決まった形状が現れるのです。あるいは金属板の上から、声を発してもそれが空気を伝わることである程度のパターンが生じます。 続きを読む 音声(発声)を図形に変換する装置!言葉の摩訶不思議学

宇宙が「O」の形である音声的な理由とは?言葉の摩訶不思議学

最近、宇宙の巨視的構造が電波的観測によって明らかにされました。最新の宇宙論によると、宇宙は銀河の密集する部分と、それがない空虚な部分とが、意外にも均一に並んでいるような姿だったのです。

これは驚きです。銀河群のない空虚な部分が所々に整然と分布している様子は、まるで蜂の巣構造(無数の六角形の空洞が集まったような)にも、あるいは泡のような構造にも見えるのです。 続きを読む 宇宙が「O」の形である音声的な理由とは?言葉の摩訶不思議学

特定のイメージを「音」としてシンボル化!言葉の摩訶不思議学

神社の境内には、2匹の狛犬が向かい合わせになるように置かれています。その片方の狛犬の口は開かれていることが多く、それによってこれは「あ」の音を示しているといいます。そして、もう片方の狛犬の口は閉じられていることが多く、こちらは「ん」の音を示しているともいいます。すなわち、両者の口で「あうん」、つまりは「阿吽」という音を表わしているというのです。

「阿吽」とは“物事の始めと終わり”を意味します。そのことから、これは“宇宙”、つまりは“森羅万象”を表現しているのだと解釈されたりもするのです。(一般的には、「あ」は吐く息、「うん」は吸う息を示し、これで「あらゆる現象のはじめと終わりを意味する」とされている) 続きを読む 特定のイメージを「音」としてシンボル化!言葉の摩訶不思議学

特定のイメージを「形」としてシンボル化!言葉の摩訶不思議学

聖なるイメージと結びついてきた、“形”としてのシンボルなどもあります。それは主に、多角形といわれるような、いろいろな形にも見ることができます。こちらは「音」ではなく「図形」ですが、これなども宇宙の「巨視的構造」と絡めて考えると面白いことがわかります。

すなわち、昔からヒトは「五角形」「六角形」の図形を、神秘的・超越的なものとして、あるいは防御の形として、好んで用いてきました。星型や五芒星、六芒星も同様です。それらはいまでも、幾つかの国の国旗の中にも見ることができます。お守り(護符)としても、もっとも有名な形です。 続きを読む 特定のイメージを「形」としてシンボル化!言葉の摩訶不思議学

音と形のシンボル化が文字をつくる!言葉の摩訶不思議学

「共感覚」という現象があります。これは、ある音を聞くと、それが刺激になってある形が見えたり、あるいは、あるモノを見るとある匂いを感じたりする、一種の感覚的異常のことを指した言葉でもありますが、もしかすると、古代の人々はそうした「共感覚」機能を現代人よりも洗練した形で備えていたのかもしれません。共感覚の症例によると、あるモノには常に同じ形や音や匂いが結びついているということです。

現代からすると、単なる異常にしか過ぎない、この感覚を古代の人々が「世界をより深く探るための一つの能力」としていたなら、きっと当時の言語の音や文字にも「共感覚」によって得られた情報が含まれていたはずです。 続きを読む 音と形のシンボル化が文字をつくる!言葉の摩訶不思議学

最初のアルファベットに付けられた名前の謎!言葉の摩訶不思議学

アルファベットという言葉は、ギリシャ語文字の一番目と二番目の名前が「アルファ」と「ベータ」であることから、そう呼ばれているのはご承知のとおり。 ヘブライ語の場合は、「アレフベート」といいます。つまり、Aにあたる文字は「アレフ」、Bにあたる文字は「ベート」と名付けられているのです。

「アルファ(α)」や「ベータ(β)」、あるいは「エイ(A)」「ビー(B)」などは、古い言語のアルファベットから借用したものなので、文字の名前以外には意味はありません。 続きを読む 最初のアルファベットに付けられた名前の謎!言葉の摩訶不思議学

アルファベットとは、大事なものの順番だった可能性!言葉の摩訶不思議学

再び、「A」という文字について考えてみます。

種々の西欧言語文字のもとになったフェニキア語アルファベットの「A」にあたる文字が、もともとは「牡牛の顔」を模したもの(牡牛を表す象形文字)だった、ということはわかりました(ちなみに、漢字の「牛」もやはり、「牡牛の顔」を模した象形文字なのです)。しかし、なぜ「牡牛」が「A」の名前に選ばれたのか、ということです。

アルファベットの最初の文字に与えられた名前が「牡牛」であるからには、この「牡牛」には、それなりの意味があったに違いないのです。それは、古代世界において広く見られた「聖牛信仰」と、なにか大きな関係があるのでしょうか?祖シナイ文字の「A」は、それこそ「牡牛の顔」そのものでした。 続きを読む アルファベットとは、大事なものの順番だった可能性!言葉の摩訶不思議学

言葉の不思議な『縁』を思う!言葉の摩訶不思議学

アルファベット文字に付けられた名前について、その歴史的な背景などを簡単に紹介してきました。そして、名付けの際の「疑問」についても、少し触れました。ところで、もっと根源的な疑問もあります。

「なぜ、昔の人は、牡牛をアリフ、らくだをガマルと呼んだのか?」しかも、この疑問は、それぞれの言語の数だけ問われなくてはなりません。日本では、「なぜ、牛は『ウシ』、馬は『ウマ』というのか?」となります。 続きを読む 言葉の不思議な『縁』を思う!言葉の摩訶不思議学