12世紀ルネッサンスで脚光を浴びる占星術

一度はヨーロッパから姿を消した占星術が再び脚光を浴びるのは12世紀に入ってから。

14世紀に始まったルネッサンスは主にギリシャやローマ時代の文化を復興しようという運動ですが、その胎動はすでに12世紀に始まっており、占星術はそのひとつでした。

ルネッサンスには「再生」や「復活」という意味があり、14世紀のイタリアで起きた大々的なルネッサンスと区別する意味で、12世紀に始まった古典・古代復興を「12世紀ルネッサンス」と呼びます。

ルネッサンスが活動として盛んになった背景には、キリスト教の1000年に渡る支配下によってギリシャ・ローマ文化が破壊され、その後、文化的な成長がまったく見られない暗黒の時代が築かれたことがあります。

12世紀ルネッサンスでは多くの外国語、中でもアラビア語やサンスクリット語、ギリシャ語などの文献がラテン語に翻訳されましたが、それらに占星術に対する記述もあったわけですね。

とくに前述したアブー・マーシャルの「大序説」はヨーロッパを中心とした西洋占星術の基礎となり、大学の教科にも取り入れられています。

もちろん、12世紀ルネッサンスに入ったからといって、1000年前に占星術を排他したキリスト教はその復興を認めたわけではありませんでした。

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