仏教において、素盞鳴尊と対抗できる荒ぶるご本尊といえば、不動明王をおいて他にありません。
なにしろ密教の中でも力技を駆使して教えを説く教令輪身(きょうりょうりんじん)の化身でもあるので、その姿はまさに異様、髪は逆立ち、表情は憤怒、法衣は片袖を破って結び、背中には迦楼羅焔(かるらえん)の炎が燃え盛っています。
さらに両手には悪を縛り上げ、煩悩に抜け出せない人々を縛り上げる羂索(けんさく)と魔を退散させ、人々の煩悩や因縁を断ち切る降魔の三鈷剣を持つという出で立ち。
不動明王のエピソードとして有名なのが、仏陀に対抗意識を燃やす大自在天(ヒンドゥー教のシヴァ神)を召喚する時の話。 続きを読む シヴァ神も踏み潰す強力なパワーを持つ不動明王