ギリシャ神話!天空を支える罰を与えられたアトラス

父であるウラノスの呪いの言葉に怯え、自分の子供を次々と丸呑みする愚行を繰り返した神々の王クロノスと、クロノスに味方したタイタン一族を奈落のタルタロスに幽閉したゼウスですが、そのなかの1柱、アトラスだけは幽閉せずに見せしめの罰を与えます。

それは世界の西の果てで天空を支え続けるというもの。

クロノスに加勢し、ゼウスたちを苦しめるほど筋骨隆々とした巨躯と怪力の持ち主だっただけに、ゼウスはアトラスを許さず、タルタロスに幽閉するよりも辛い罰を与えたのです。

アトラスとは天空を支える巨神ですが、名前には「耐える者」という意味があります。 続きを読む ギリシャ神話!天空を支える罰を与えられたアトラス

ギリシャ神話!ゼウスの政治的手腕

神々の王であり、自分の父親だったクロノスと、クロノスに加勢したタイタン一族を奈落のタルタロスに幽閉したゼウスはクロノスに代わって神々の王となりましたが、ゼウスは父クロノス、さらに祖父ウラノスの愚行を知っているのでそれらを反面教師とし、世界を独占することなく海の世界は兄神であるポセイドンに、地下世界を同じく兄神であるハデスに譲り、自分は天界を支配します。

50の頭を持ち100の手を使ってクロノス一党を相手に一騎当千の活躍を見せた異形のヘカトンケイルたちは幽閉したクロノス一党の監視役を命じられ、再びタルタロスに戻りますが、今度は幽閉ではなく門番なので命令に背くことなく誇りを胸に秘めて地下へ向かいます。

この辺りがゼウスの巧妙なところ。

なにしろ戦いに関しては一騎当千ですが、その異形は天界にふさわしくなく、また暴れれば天界を壊しかねない力の持ち主であるヘカトンケイルです。 続きを読む ギリシャ神話!ゼウスの政治的手腕

ギリシャ神話!大地の女神ガイアの怒り

もう、おばあちゃんになって孫のゼウスも立派になったんだから、おとなしくなればいいものの、大地の神ガイアは怒りが収まりません。

なぜ?って、ゼウスが倒した神々の王クロノスはガイアの息子であり、愚行の王でありガイアの最初の夫であったウラノスを討った恩人であり、クロノスに加勢したタイタン一族もまた、ガイアの子どもたちとその血統なのですから。

自分の子どもたちをタルタロスに幽閉するなんて、いくら孫でもそこまでは許しません、ちょっとお仕置きをしてくれればよかった程度なのに、というところが本音でしょう。

しかもガイア最初の子どもでもあったヘカトンケイルたちを再び、いくら門番という役職を与えながらもタルタロスに戻すなんて。

大地の神、祖母ガイアの怒りは恨みとなってゼウスに向けられます。 続きを読む ギリシャ神話!大地の女神ガイアの怒り

ギリシャ神話!美しき神々の夫婦愛

知恵の神メティスを妻に娶って幸せな毎日を送る神々の王ゼウスですが、やはり意地悪ばあさんガイアの言葉が気になります。

祖母とはいえ、カオスから生まれた原初の神には違いありませんし、まだまだ神々を生み出す力も持っています。

しかも祖父ウラノス、父クロノスは預言者こそ違っても、自分の子どもたちによって失脚しており、その血統を受け継ぐゼウスとしては、一笑に付すこともできません。

かといって美しい妻、メティスとの交わりを断つこともできませんし、子どもをいっぱい作って子孫繁栄も実現したいところ。

そこでゼウス、思い切った決断をします。

メティスを丸呑みにしてメティスと一心同体になることにしました。 続きを読む ギリシャ神話!美しき神々の夫婦愛

ギリシャ神話!ゼウスの頭から生まれた女神アテナ

大地の神であり、ゼウスの祖母に当たるガイアの予言を実現させないために愛する妻、メティスを丸呑みして一心同体となったゼウスですが、ひとつ忘れていることがあります。

それはガイアが予言した「メティスは最初に賢い娘を生むが…」という一節。

じつは丸呑みした知恵の神メティス、すでに娘を身ごもっていたのです。

いくら全能のゼウスといえども、体内に育つ娘を放置できず、やがて頭痛を抱えるようになり、体調に変化が起きてしまいます。

そこで配下である予言と英知の神プロメテウス(ヘパイストスという説もありますが)になんと、頭を斧でかち割ってくれ、と無謀な命令を下します。

なにしろ神々の王の命令ですから背くわけにはいきません。 続きを読む ギリシャ神話!ゼウスの頭から生まれた女神アテナ

ギリシャ神話!増殖するゼウスの子孫たち

最愛の妻であり、知恵の神メティスを丸呑みしてメティスが身篭っていた娘、アテナを頭から産んだゼウスはその後、結婚を繰り返して子孫繁栄に努めます。

最愛の妻が体内にいるというのに、なんて浮気者なの!と眦(まなじり)を吊り上げるのはもう少し事情を知ってからにしましょう。

神々の王であり、天空を支配するゼウスは世の中の統治を行わなければなりません。

そこで子孫を増やし、その子孫に秩序の役目を与えたのです。

知恵の女神メティスの次に結婚したのは法と正義の女神であり、予言と英知の神であるプロメテウスの母であるテミス。 続きを読む ギリシャ神話!増殖するゼウスの子孫たち

ギリシャ神話!大地の女神ガイアの怒り再び

妻を次々に変えて社会秩序や文化の女神たちを子孫に残したゼウス。

これ、考えてみれば日本神話における大国主神と同じで、大国主も須世理毘売命と大恋愛していながら、その後、八上売命や多紀理毘売命などと婚姻を繰り返し、古事記によれば180柱、日本書紀においては181柱の神様を産ませていますし、さらに出雲風土記に至っては他にも妻神が何人もいた、とされています。

やはり神様、東西を問わず子孫繁栄のために頑張っていたんですね。

それはともかく、妻を次々に変えて子孫を残しているゼウスを苦々しく思っている神がいました。

そう、自分が産んだ可愛い息子、クロノスやタイタン一族が奈落のタルタロスに幽閉されている大地の神、ガイアです。 続きを読む ギリシャ神話!大地の女神ガイアの怒り再び

ギリシャ神話!ギガントマキアの英雄ヘラクレス登場

巨人族ギガンテス(これは複数形で、単数形ではギガスと呼びます)は母である大地の神ガイアの命令に従って、自分たちを奈落タルタロスから救い出してくれたゼウスに総攻撃をかけます。

上半身は神の形、両足は龍の形をしているギガンテスは山々を引き裂き、燃え盛る樹木を投げつけて神々に戦いを挑みます。

もちろん、そんな下等な戦いに負ける神々ではありませんが、しかし戦いは結着がつきません。

じつはギガンテス、ガイアから「神々の手で殺されない」という運命を授けられていたのです。

いくら殺しても復活してくるゾンビみたいなものですから、神々が手を焼くのも無理はありません。 続きを読む ギリシャ神話!ギガントマキアの英雄ヘラクレス登場

ギリシャ神話!ガイアの最終兵器デュポン現る

半神半人ヘラクレスの活躍によってギガンテスとの戦い、ギガントマキアに勝利したオリュンポスの神々ですが、大地の神でありゼウスの祖母であるガイアに取って、この戦いは前哨戦にしか過ぎませんでした。

ガイアはゼウスを倒すために捨て身の作戦に出ます。

なんと奈落の神タルタロスと交わり、最強の異形、デュポンを産み落とします。

腰から上は人型、腿から下は毒蛇がとぐろを巻いている姿で、肩からは百の蛇の頭が生え、炎を放つ目を持ち、背中には鳥の翼があるといういでたち。

大きさは頭が天に届き、両手を広げれば世界の東西に到達するほどです。

さすがにこの姿を見たオリュンポスの神々も恐れおののきます。 続きを読む ギリシャ神話!ガイアの最終兵器デュポン現る

ギリシャ神話!デュポンの反撃

ゼウスを倒す執念に取り付かれた大地の神ガイアが送り込んだ最強の刺客、デュポンとゼウスの戦いは壮絶を極めましたが、ゼウスはついにデュポンをシリアのカシオス島に追い詰めます。

しかし、戦いは常に詰めが大事。

そして大逆転劇もまた戦いの常でもあります。

追い詰められたデュポン、死に物狂いの反撃を行い、逆にゼウスを足の毒蛇で締め上げ、雷霆とアダマスの大鎌を取り上げてゼウスの手足の腱を切り取ってしまいます。

まったく動けなくなったゼウスをコリュキオンの洞窟に幽閉、門番に蛇の下半身を持つ異形、デルピュネに任せ、デュポンは傷ついた身体を癒やすために母ガイアの元に一時退散します。 続きを読む ギリシャ神話!デュポンの反撃

ギリシャ神話!デュポンとゼウスの戦いは最終章に

起死回生の反撃で一時はゼウスを幽閉した異形の王デュポンですが、カシオス山に追い詰められたことからも実力に関してはゼウスが上であることは明白。

しかも今度は再戦ということもあって奇襲戦法はもはや通用しないでしょう。

そこでデュポンは運命の女神たちモイラを脅します。

どんな願いでも叶う「勝利の果実」をよこせ、と。

運命を司る3姉妹の女神モイラは法と正義の女神テミスとゼウスの子どもであり、モイラ3姉妹の決定した運命にはゼウスであるとも逆らえないのが事実という筋金入りです。

異形の王デュポンごときに屈する相手ではありません。 続きを読む ギリシャ神話!デュポンとゼウスの戦いは最終章に

ギリシャ神話!人間の最初は黄金の時代

異形の王、神々を恐怖のどん底に陥れたデュポンもついにゼウスに破れ、封印されてしまいました。

さすがに最終兵器を持ちだしてもゼウスを討つことができなかった大地の神でありゼウスの祖母でもあるガイアはゼウス討伐を諦め、以後、ギリシャ神話のなかではおとなしい存在になります。

そんな神々の戦いのなか、人間はどうしていたのでしょう?

ギリシャ神話では、人間は5つの時代にそれぞれの形で生活していました。

最初は黄金の時代。

タイタン12神の末っ子であり、のちにゼウスに滅ばされるクロノスが支配していた時代で、人間は神に似せられて作られ、大地は豊穣、耕さなくても食物ができ、河には乳やネクタルが流れていました。 続きを読む ギリシャ神話!人間の最初は黄金の時代

猫とツキと干支の性格

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