「どうしたら、もっと便利になるか?」を考えている企業!アイデアを売り込む

家電メーカーはどこでも冷蔵庫を扱っていますが、他社間において、もはや冷蔵庫としての「機能的・技術的な差」は付けられなくなっています。

そこで、その使い勝手をよくしたり、あるいはデザインを工夫したりして、顧客の購買意欲を上げようとしているのです。

日立製作所では、開発した冷蔵庫に「野菜中心蔵」という変わった名前を付けました。その冷蔵庫では、名前が示しているとおり、従来は最下段に設けてあった「野菜室」を中心(中段)に設けるようにしたのです。

そうすることで、野菜を取るたびに、腰をかがめるという不便さが解消されました。

シャープの場合は、「両開(どっちもドア)」という、これまた変わったネーミングの冷蔵庫を出しています。つまり、冷蔵庫の扉を右からでも左からでも、どちら側からでも開けられるように工夫したのでした。

東芝も、「かわりばん庫」というユニークなネーミングで、庫内の温度が自由に切り換えられる冷蔵庫を1997年から販売しています。

これらはみな、「どんな冷蔵庫だったら、(今のものより)もっと便利になるだろうか」といった、主婦に対する質問に答えたものでもあったのでしょう。冷蔵庫をもっとも利用するのは、家庭の中では主婦がいちばんだからです。

実際、多くの家電メーカーでは、新製品の開発において、主婦をはじめ女子高生からOLまで、ともかく女性の意見を多く取り入れようとしています。

だから企業は、女性(とくに主婦)的な発想に関心を持つようにもなっているのです。

■一般大衆から受けやすい商品要素「カ行の原則」とは?

このように、いつの時代にも、必ず大衆から受ける、そうした要素をもつものは、やはり「便利なうえ、簡単なもの」、つまり「クォリティは高けれど、コストは安いもの」と纏めることができるでしょう。

さらに、こうした「簡単便利」「クォリティの高さ」「コストパフォーマンス」のほかにも、「奇抜さ(奇天烈さ)」のあるもの、「環境」にやさしいもの、「健康」によいもの、「高齢者」にも扱いやすいもの、といった要素も加味されていると、なお受けがよいでしょう。

そのうち、「奇抜さ(奇天烈さ)」という要素は、先ほど述べた各メーカーが出した冷蔵庫の名前のように、商品につけるネーミングに反映されていることもあります。

カキクケコという、カ行のものが続いたので、これに「可愛らしさ」「キュートなもの」というのも付け加えておきたいと思います。

これらは、発明アイデア商品のみならず、キャラクター商品(マスコット・グッズ)などの、受けるグッズの条件としても挙げられるものだと思います。そして、そのいずれもが、女性ならではの感性から発しているものだと言えます。

では、ここで挙げた「一般大衆から受けやすい商品要素」のことを、「カ行要素の原則」とでもしておきましょうか。

【一般大衆から受けやすい《カ行の要素》】

カ「簡単便利」「可愛らしさ」「環境にやさしいもの(環境グッズ)」

キ「奇抜さ」(奇天烈さ) 「キュートなもの」

ク「クォリティの高いもの」

ケ「健康にもよいもの」「結婚祝いに喜ばれるもの」

コ「コストパフォーマンスのよいもの」「高齢者にも扱いやすいもの」

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