キリスト教支配下の地域では姿を消していく占星術も、それ以外の宗教支配下の場所ではギリシャから流出した天文観測を取り入れて独自の進化を遂げていきます。
たとえばインド。インドにはギリシャ伝来以前より独自の占星術、ナクシャトラがありました。
これはギリシャが太陽の黄道を占星術の中心にしていることに対し、月の動き、すなわち白道を中心に考えていることが特徴です。
ただし、このナクシャトラに関する記述はほとんど残っておらず、口述伝承であったことが想像されますが、2世紀頃、インドにギリシャ占星術が渡来してナクシャトラと融合したことが西暦269年の「ヤヴァナジャーダカ」という文献に書かれています。 続きを読む インドに渡った占星術