最初のノルマン人の王

ケルト系民族に取って、なにより憎いのはサクソン人。

そのサクソン人の王を記録から排除、サクソン人撃退に獅子奮迅の活躍をしたアーサーを王に仕立てて美談を作り、民衆の共感を得ると同時に、そのサクソン人王政を撃破したのが現王政である、ということを暗にアピールしたのが、「ブリタニア列王史」である、というのが現在、この歴史書に対する見解です。

歴史書を書いたジェフリー・オブ・モンマスは当時のオックスフォード助祭長のウォルターから「ブリトン人の言葉で書かれたかなり古代の本」をラテン語に翻訳した、と主張していました。 続きを読む 最初のノルマン人の王

最後のサクソン人の王エドワード

時のノルマンディー公ギョームはエドワード王の遠い親戚に当たり、エドワード王より王位継承を約束された、という理由から実際に王位継承をしたエドワード王の義弟、ゴドウィンソンことハロルド2世に対して攻撃を始め、ヘイスティングズの戦いで勝利、ハロルド2世は戦死してしまいます。

こうして、ノルマンディー公ギョームはブリテン島でノルマン人最初の王となり、長くブリテン島を支配していたサクソン人の王は途絶えました。

これがノルマン・コンクエスト、いわゆるノルマン朝の始まりですね。

フランス読みのギョームを英語に直すとウィリアム。 続きを読む 最後のサクソン人の王エドワード

ブリテン島を狙うノルマンディー公国

サクソン人の侵攻が激しくなるとローマ帝国軍はローマの衰退もあってブリテン島から撤退してしまいます。

そこで残されたケルト系民族(ブリトン人)はサクソン人と戦うわけで、ここに「ブリトン人の歴史」で記述されていたようにアーサーが獅子奮迅の戦いをするわけですが、結局はサクソン人がブリテン島を支配、今度はサクソン人同士が覇権を巡って戦いを行います。

それが七王国の時代。 続きを読む ブリテン島を狙うノルマンディー公国

「ブリタニア列王史」が描かれた時代

ジェフリー・オブ・モンマスは「ブリタニア列王史」において、全12巻のうち、9巻から11巻途中までアーサー王を描いています。

列王の数は数えるのが面倒なほどいるのに、アーサー王でこれだけのページを割いてしまえば他の王なんて記述することができません。

言ってみればアーサー王を盛りたてる脇役みたいなものです。

実際、「ブリタニア列王史」はアーサー王に関する記述だけが抽出され、その他の部分に関しては注目もされていません。

なぜアーサー王だけが、これだけ後世に残るまで抽出されたのか? 続きを読む 「ブリタニア列王史」が描かれた時代

創作だった歴史書の「ブリタニア列王史」

妻グィネヴィアを妃として娶り、自分がいない間に王へ治まったモルドレッドに対して怒り心頭、怒髪天を突く勢いのアーサー王は残存勢力を引き連れてブリテン島に引き返します。

もちろんモルドレッドにしてもそれは想定内。

かつてアーサー王が僻地に追いやったピクト人やスコット人を傭兵に雇い、迎え討ちます。

戦いは凄惨を極めましたが、やがてアーサー王はモルドレッドをカンブラン河畔まで追い詰め、ついに倒すことに成功しますが自らも瀕死の重症を追ってしまいます。 続きを読む 創作だった歴史書の「ブリタニア列王史」

猫とツキと干支の性格

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