「おーい でてこーい」の恐怖!大人が読む寓話の教訓

星新一の掌握小説「おーい でてこーい」の続き。

村に突如、現れた不気味で不思議な穴は都会でも話題になり、学者だとか新聞記者がやってきて散々調査するけれど、分かるのは底なしの穴であるということだけ。

村の住人は穴のあったところに神社があったので、とにかく困っていたところ、1人の男が申し出ます。

「私にその穴をくれるなら、穴も埋め立てて、神社も集会場つきの立派な社を建てましょう」

もちろん村の住人で反対する人はいません。

男は約束を守り、村の別の場所に立派な集会場を提供し、穴を埋める作業に取り掛かります。

最初に穴を埋めるために廃棄したのが原子力発電から排出された放射性廃棄物。

それくらいのことでは穴は一向に埋まる気配がないので、男はさらに事業を拡大、なんでも廃棄する業務を始めます。

伝染病の実験で使われた動物の死骸、引き取り手のない浮浪者の死体、外務省や防衛庁は機密書類を投げ捨て、犯罪者は証拠を、婚約を決めた若い女性は古い日記を、とにかく誰もがなんでも、穴に捨てました。

その分、都会はきれいになり、次々と新しいビルが立ち始めた頃、その鉄骨の上で一休みしていた作業員が耳慣れない声を聞きます。

「おーい でてこーい」

作業員、声の方向である頭上を見上げますが、もちろん、何も見えません。

その後、小さな石ころが作業員の脇を通り過ぎるのですが、あいにく作業員は仕事に戻ってしまい、その小さな石ころを見逃してしまいました…。

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