Categories: 招き猫

庶民文化を守る今戸神社と考える

今戸焼きは江戸文化のひとつですが、現在、今戸の地で継承するのは1軒だけとなっています(実際は葛飾区に今戸焼きを継承している窯が何軒かあるといいますが)。

ただし、消え行く江戸文化は今戸焼きに限ったことではありません。

金魚屋も風鈴屋も漆屋も桶屋も、その他のさまざまな職種も時代の流れのなかに埋没していきます。

江戸文化は庶民の文化といわれています。

日用品の文化であるがゆえ、継承されずに消え行くのも運命といえなくもありません。

そのなかで、招き猫発祥の地と氏神様が名乗りを上げることは文化継承の意味でとても大切なことです。

今戸神社が招き猫発祥の地、と名乗り出たのは昭和50年頃とされていますから、第1次オイルショックの後、日本は文化の継承よりもインフレーション加速で深刻な状態を迎えていた時代ですね。

狂乱物価が企業倒産を招くなか、零細企業の今戸焼きを残そう、という神社の思惑、あながち的外れな推察ではないでしょう。

イザナミとイザナギ、日本神話における最初の夫婦を祀る今戸神社は1063年の創建というから由緒もあり、祀る神様から縁結びにもご利益がある、といわれています。

縁結びのお守りにはきちんと一対の招き猫が刺繍されているので、興味をお持ちの方は、一度、来訪されてお守りを授与されてはいかがでしょう。

刺繍の招き猫、お世辞にもかわいい、とは言えませんが。

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