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日本の研究グループが発見したレム睡眠スイッチ

睡眠を取らないと人間は死んでしまいます。

これは人間だけでなく、あらゆる動物に当てはまるとされています。

そこで当然のように睡眠は身体の休息のために行われるという考え方が生まれてきますが、しかし身体の休息だけが目的であれば、顕在的な意識を喪失させる睡眠が必ずしも必要ではなく、身体を横たえて動きを止めるだけで十分なはず、という反論が生まれます。

身体の休息という意味では反論が生まれてしまいますが、脳の活動のために睡眠が必要という考え方になれば反論が難しくなります。

つまり脳には意識が顕在の時に働く機能と、顕在していては活動しない、あるいは活動が鈍い部分があるので、顕在している意識を喪失させて脳の別の部分を働かせる、という論理です。 続きを読む 日本の研究グループが発見したレム睡眠スイッチ

眼球がよく動くから「レム睡眠」

現代の脳科学研究では、なぜ夢を見るのか?という原因について解明はされていません。

しかし研究は続けられています。

近代、夢の研究は被験者測定にしか頼ることはできませんでしたが、現代は脳波測定など物理的側面からも研究できるようになっています。

その物理的側面からの研究で発見された代表的な例がレム睡眠とノンレム睡眠ですね。

レム睡眠のレムはREM、Rapid Eye Movementの略、つまり睡眠時にまぶたの下で眼球が激しく動いていることから命名されました。 続きを読む 眼球がよく動くから「レム睡眠」

莊子が語る「胡蝶の夢」

夢をモチーフにした映画や小説は他にも数多くありますが、キリがないのでとりあえずは前述した2作だけに留め、休憩の最後は「胡蝶の夢」について説明しましょう。

「胡蝶の夢」とは莊子の説話です。

莊子は胡蝶(蝶のことですね)になった夢を見ました。

ひらひらと気持ちよく舞い、自分が莊子であることをまったく自覚していませんでしたが、夢から覚めた瞬間、莊子であることを自覚します。

そこで胡蝶は、果たして莊子が夢の中で胡蝶になったのか、それとも自分は胡蝶で莊子になった夢を見ているのか、と自問します。 続きを読む 莊子が語る「胡蝶の夢」

筒井康隆ワールド全開の「パプリカ」

筒井康隆氏の「パプリカ」は1993年に出版されたサイコ・SF小説です。

パプリカとは、精神医学研究所に努める優秀なPT(サイコセラピー)治療者、千葉敦子のもうひとつの顔となっている夢探偵の愛称です。

小説では西進医学研究所の派閥争いから、千葉敦子と同僚の時田浩作が開発した他人と夢を共用できるデバイス、DCミニが盗まれ、それを奪い返すために夢の中でパプリカが活躍するという物語。

エンターテイメントのように思われますが、随所に筒井氏のブラッキーな部分と不条理な部分が交差しており、読み進むうちに得体の知れない不安感が襲ってきます。 続きを読む 筒井康隆ワールド全開の「パプリカ」

なぜ夢を見るのか?というメカニズムの前に

夢はすべて記憶から生まれます。

人に言えないような恥ずかしい内容でも、荒唐無稽な物語でも、それらを自分で体験していなくても何らかの記憶(小説や映画、人から聞いた話など)が無意識で組み合わされ、メッセージとなって表れるのです。

もちろん、そのメッセージには重要なものもあれば、まったく無価値なもの(お金が欲しい、とか好きな子とキスしたい、とか、そんな類)もあります。

しかし、これら無意識からのメッセージがなぜ構築されるのか?さらに言えば夢をなぜ見るのか?それは現在でも解明されていません。

フロイトやユングの夢分析、夢解釈についても意識と無意識については物理的な立証はなく、単なる理論に過ぎません。 続きを読む なぜ夢を見るのか?というメカニズムの前に