確かにガリレオ裁判の後、科学者や天文学者の間ではコペルニクス体系(つまり地動説)を支持する空気は弱まり、地動説に関するコペルニクスやケプラーの書物は閲覧禁止状態になりましたが、地動説に関して科学者達が消極的になったのはガリレオ裁判ではなく、むしろジョルダーノ・ブルーノ裁判の方が大きな影響を与えたといえるでしょう。

イタリア出身のジョルダーノ・ブルーノはドミニコ会の修道士でしたが次第に学問に目覚め、天文学と哲学において目覚ましい業績を残しました。

しかし哲学、天文学ともにキリスト教の教義と相反することから何度も異端裁判にかけられ、それでも自己の理論を訂正せずに我を通したことから最後は火あぶりの刑に処せられます。

ブルーノの罪状は24にも及び、その中には地動説の他に宇宙は無限であり、「純粋気体」で満たされている、などの宇宙論も含まれていました。

この純粋気体、その後の物理学で光が伝播するために必要だと思われる媒質を表すエーテル理論の概念骨格にもなりました。

その後、アインシュタインが発見した相対性理論などの物理学がエーテル理論を否定しましたが、現在、宇宙空間において互いの星々を支えあうエネルギー、ダークマターが注目されています。

ダークマターはある意味、ブルーノが示している「純粋気体」の可能性を秘めている物質かもしれません。

ブルーノの異端裁判はその後、自己の信念を通す時に持ちだされる格好の材料になっています。

こんな記事も読まれています: