それでも残る地動説の矛盾

ガリレオの発見は地動説の矛盾を正当化させていきます。

天動説派は地球が動くなら月は取り残されてしまうだろう、という疑問に対して木星の周囲を回る衛星の証拠を示し、金星が太陽の惑星で公転しているからこそ、月のように満ち欠けし、楕円軌道を描いているから目視の大きさが変わるのだ、と立証しました。

それでもなお、天動説派は地球が動くならば空に放り投げた石が真下に落ちるのか、空を飛ぶ鳥がなぜ取り残されないのか、なぜ地球は自転し続けるのか?という疑問を地動説派に投げかけます。

ガリレオは慣性の法則を実験で示しますが、その現象がなぜ起きるのか?という疑問には答えることができませんでした。

この疑問に答えたのが、ガリレオ死後の翌年、1643年にイングランドで生まれたアイザック・ニュートンです。

ニュートンは物理学者であり数学者であり、自然哲学者でもありましたが占星術師ではなく、またカトリック信者ではなくプロテスタント信者、そして錬金術に深く傾倒していました。

ニュートンといえば、リンゴの実が樹から落ちるのを見て、それが万有引力発見のきっかけになった、という話が有名ですが、ニュートンが公式にこのように述べたわけではなく、ニュートンが周囲の人たちに語ったのではないか、という憶測から生まれたエピソードです。

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