還暦は生まれた干支に戻ること

干支の歴史は古く、殷の時代といいますから、今から3700年ぐらい前には作られていたことになります。

日本に干支が入ってきたのはいつの頃か定かではありませんが、欽明天皇の時代(554年)、中国の暦本が百済から渡来したという記述があるので、その前後には日本でも干支を使用していたといわれています。

お正月の年賀状ぐらいにしか干支は一般的に使われておらず、暦も方角も今では西洋式に習っていますが、じつは普段の生活のなかにも干支は浸透しており、誰でも意外と使っている風習や言葉があるのです。

たとえば還暦。かつて、満60歳の誕生日を迎えると赤いちゃんちゃんこを着せられて還暦祝いをされていました。

還暦を機に現役引退をすることが多く、その後は孫の世話や自分の好きなことをするというのが昔の風習ですね。

もちろん寿命が伸びた分、まだまだ働かなければいけない現代の60歳は引退も孫の世話も自分の好きなことも先延ばしであることが現実ですが、社会的な風習としても60歳定年という形で還暦が生きています。

還暦とは自分が生まれた時から干支が一巡して、生まれた時の干支に還ったことを意味します。

赤いちゃんちゃんこは赤子、あるいは魔除けの意味で産着に赤が使われていたことから新生の意味が込められています。

これは60年の間、同じ干支は一度もない、ということの証でもありますね。

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