「クラウドファンディング」カテゴリーアーカイブ

ネットで広く資金調達の募集をかけるクラウドファンディング

誰でも夢を持っていて、それを叶えたいと願っています。

しかし、夢を叶えるためには根気と努力と才能と、それから先立つ資金が必要ですね。

根気と努力と才能は本人の力でなんとかなるし、またなんとかしなければいけないのですが、先立つ資金に関してはコツコツと溜めていかなければなりませんでした。

資金調達の遠い道のりを想像するだけで、あるいは途中まで行ったところで挫折した人もこれまで多くいたことでしょう。

もちろん、今でも夢の実現に対して資金調達は難しいこと。

しかしネットの普及によって、以前よりもずっと資金調達が誰でも簡単に行えるようになりました。

それがクラウドファンディングです。 続きを読む ネットで広く資金調達の募集をかけるクラウドファンディング

果たしてロンギヌスの槍は月に刺さるのか?

今年は1995年に始まったTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の20周年に当たるそうです。

夢を叶えるクラウドファンディングの話から唐突ですが、きちんとリンクしているので安心してくださいね。

で、このTVアニメシリーズの第参十参話(エヴァンゲリオン風に表記してみました)でエヴァ零号機がロンギヌスの槍を月に突き刺すのですが(知らない人にはなんのことだかまったく分からないでしょうが、エヴァファンが必ず回りに1人ぐらいいると思うので、その人に聞いてみてください)それを現実にやっちゃいましょう、というプランが立ち上がりました。

題して「エヴァンゲリオン20周年公式プロジェクト・ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト」。

この実行委員会の実体がイマイチ分からないのですが、一応、予算は1億円。 続きを読む 果たしてロンギヌスの槍は月に刺さるのか?

F-1レーサー可夢偉のクラウドファンディング

クラウドファンディングは今に始まったことではないし、1億円の資金援助もけっして珍しい大掛かりなものではありません。

身近なところでは3年前、F-1レーサーの小林可夢偉選手がF-1のシートを失った時、シートを獲得するためのプロジェクト「可夢偉サポート」が立ち上がりました。

F-1という世界は独特で、マシンを早く走らせる能力を持っているだけではF-1に乗ることはできません。

才能だけで有力チームが大金を払ってでも契約するのはせいぜい4~5人、後はすべてスポンサーがついてチームにお金を入れてくれるドライバーを優先する世界なのです。

残念なことに可夢偉選手、日本経済どん底の最中にF-1ドライバーになってしまったものだから有力な日本企業がスポンサーになっていません。 続きを読む F-1レーサー可夢偉のクラウドファンディング

クラウドファンディングは『物乞いボウル』か?

華やかな世界に見える自動車レースの最高峰F-1ですが、じつはとんでもない金食い虫が闊歩しており、優勝を争うことができるホンの一握りのチーム以外は常時、資金難に喘いでいます。

したがってスポンサーを持つドライバーは速く走れる才能を持つドライバーよりも優遇されるワケですね。

小林可夢偉選手、「可夢偉プロジェクト」で11億円集めましたがメインスポンサーがいないことから2013年のF-1シートを失いましたが、その募金が活きて2014年にはケーターハムという弱小チームのF-1シートを確保しました。

ところがケーターハム、結局、シーズン中に資金難が深刻な状況になり、最終的には破産宣告をします。

なんとかレースを続けようとしたチームが最後の頼みとばかり、すがったのがクラウドファンディング。 続きを読む クラウドファンディングは『物乞いボウル』か?

クラウドファンディングでレコーディングした日本のロックバンド

クラウドファンディングの話、いきなり失敗事業だとか資金難だとか、あまり未来的展望のないエピソードばかりになってしまいましたが、成功例に関しては枚挙に暇がありません。

たとえば音楽の世界。

ミュージシャンにとってメジャーになるためにはプロデューサーやレーベルの意向を無視することができず、それがジレンマになることもしばしばありますが、世の中、そんなジレンマを抱えるくらいならば活動資金やCDレコーディング費用、コンサート費用ぐらい自分たちで集めるぜ!という気骨のあるミュージシャンも多くいて、そういったロックなミュージシャンが利用するのがクラウドファンディングなのです(まあ、ロックっていやロックですが、ブルース・ミュージシャンにはない発想でしょう)。

日本ではあまり知られていませんが、アメリカを始め海外で知名度の高いロックバンドのElectric Eel Shock(エレクトリック・イール・ショック)は早くからクラウドファンディングを取り入れており、6枚目のアルバム「Sugoi indeed」は世界36カ国のファンから直接出資されて制作しています。 続きを読む クラウドファンディングでレコーディングした日本のロックバンド

無名の個人でも参加できるクラウドファンディングサイト

F-1や音楽の世界におけるクラウドファンディングの一例を紹介しました。

他にも映画や絵画といった芸術分野だけでなく福祉事業やベンチャー企業の新製品開発など成功例は数多くあります。

なんだ、有名人とか企業とか福祉とか、無名で個人的な例がまったくないじゃないか、それじゃ夢の実現なんて程遠いんじゃないの?と疑問を抱くのは当然。

確かに著名人や企業であれば個人的なサイトが注目されているのでクラウドファンディングも始めやすい環境が整っています。

まったく無名の個人であれば、どれほどすごい才能を持とうが世界の常識を覆す発明であろうが、注目度は極端に低く、実現の可能性は見えてきません。

そこで登場するのがクラウドファンディングサイトです。 続きを読む 無名の個人でも参加できるクラウドファンディングサイト

アメリカの代表的なサイト「Kickstarter」

現在、クラウドファンディングサイトは数多くあり、毎日のように新しい企画が投稿されています。

このクラウドファンディングサイトとして世界中で有名なのがアメリカの民間企業が運営しているKickstarter(キックスターター)でしょう。

14のカテゴリーに分けられており、それぞれに投稿されているプランの目標額や現在の調達額、期間などがグラフィック化されており、とても分かりやすい内容です。

一応、英語表記ですが、あまり難しくないので英語の苦手な人でも分かるはず。

どんな企画が投稿されているか、ちょっと覗いてみましょう。

たとえばComics(コミック)。 続きを読む アメリカの代表的なサイト「Kickstarter」

女性の憂鬱な日を快適にするプロジェクト

Kickstarterに投稿されている企画、もうちょっと覗いてみましょう。

女性に人気のFashion(ファッション)もあります。

『Thoughts You Have On Your Peiod』というプロジェクトがいきなり達成率1,868%という驚異的な数値を叩き出しています。

思いは貴方に貴方の終止符を打つ、みたいな哲学的プロジェクト名といきなり水玉模様のパンティだけを履いた女性が出てきて、男の筆者には何がなんだか分からない展開でしたが、よくよく見ると女性の生理用品で、どうやらパンティに直接新素材を使っているのでタンポンやナプキンがいらない、という製品開発のプロジェクトのようです。

目標額が2,500ドルと低く、また投資額は15ドルからで目標達成すれば新製品が送られるという内容なので、あっという間に資金調達は完了、先に上げた資金額まで達したわけですね。 続きを読む 女性の憂鬱な日を快適にするプロジェクト

クラウドファンディング参加はガイドラインに従って

クラウドファンディングサイトのKickstarterは誰でも投稿できます。

ただしルール無用というわけではなく、ガイドラインが設けられています。

●プロジェクト創設者は投資された資金をプロジェクト以外に使ってはならない

●プロジェクトはKickstarterが用意した14のカテゴリーに準じていなければならない

●チャリティーや啓蒙活動の場合は禁止行為既定を順守しなければならない

定められているガイドライン、極めて常識的です。

またハードウェアや製品デザインに関しては追加のガイドラインがあります。 続きを読む クラウドファンディング参加はガイドラインに従って

F-1チームコローニのリターン(見返り)とは?

クラウドファンディングサイトのKickstarter、夢を叶える場所であると同時に、それを応援する人の場所でもあります。

またもやF-1の話で恐縮ですが、1991年にコローニというチームが日本GPへ参戦するために日本の個人へ1口2万円のスポンサードを募り、『貴方を乗せて一緒に走るぜ!』みたいなクラウドファンディングを行ったことがあります。

で、その口車に乗った当時のバブリーな人たちはこぞってスポンサードになり、個人の名前をボディに書いてしまったため、コローニのマシンはまるで『耳なし芳一』のようになり、また実際にそんな陰口を叩かれましたが、結局、コローニは予備予選すら通過することもできず、個人スポンサーをがっかりさせました。

これはクラウドファンディングに投資する人たちの典型例でもあります。

つまり投資はしたけれど期待した成果が得られないからといって、プロジェクト創設者を責めたり訴えたりすることはできない、ということですね。 続きを読む F-1チームコローニのリターン(見返り)とは?

プロジェクトへの投資は自己責任で

クラウドファンディングのKickstarterはプロジェクトを達成させるためのサイトなので、投資したからといって金銭的な見返りはありません。

プロジェクトによっては投資した金額によって、音楽ならばVIPゲストになったり製品プロダクトであれば完成品を送られたりすることもありますが、投資した金額が少なければプロジェクトの記念Tシャツだとかリストバンドだとか、とてもささやかな見返りとなります(後述しますが、この見返りについては戦略的にとても重要になります)。

システムとしてはプロジェクト創設者が企画内容を映像でプレゼンテーションし、資金調達の目標額と最低投資額、資金調達期限を設けます。

投資家はPledge(保証、つまり投資に対する見返りですね)を確認、投資金額に見合う保証であるかどうかを見定めて上で投資しますが、期間内に資金が調達できればプロジェクトはスタート、もし期間内に資金が調達できない場合、資金は投資家に返却されます。 続きを読む プロジェクトへの投資は自己責任で

日本にもあるクラウドファンディングサイト

クラウドファンディングのKickstarterは分かったけれど、英語圏なんてビデオどころか解説も書けないじゃん!とお困りの人、きっと多いでしょうね。

そんな人たちは日本のクラウドファンディングを利用すればいいのです。

日本にクラウドファンディングがあるなら先に紹介しろ!とおっしゃる気持ちも分かりますが、やはりこういうのは順序が大切ですから。

さて、アメリカを発端にしたクラウドファンディングは当然、日本にも飛び火しましたが、じつは日本、金融商品取引法という厄介な法規制があり、この法律によるとPledge(保証)を設けてはならず寄付に近い形、または物品を購入する形でなければ資金調達ができなかったのです。

つまりイベントだとかアートだとか、そういうものに個人投資はできませんよ、ということだったのですが、この法律が2014年に改正され、個人投資は50万円を上限、資金調達は1億円未満とするように定められました。 続きを読む 日本にもあるクラウドファンディングサイト