必然から生まれた豊岡町の招き猫

常滑、瀬戸に続いて紹介するのは高崎の豊岡町。

豊岡町っていったら焼物の町ではなく、張り子で作るダルマの町では?と、思った人、正解です。

豊岡町はそのまま、豊岡のダルマ、と町名がダルマにつくほどダルマで有名ですが、じつは張り子の技術を応用して明治の中期から招き猫も作られており、現在、張り子の招き猫では日本一の生産量を誇っています(と、いうか他ではほとんど作られていないのが現状ですが)。

現在は伝統的な張り子による製造ではなく、真空成型という技法によって立体造形を行っていますが、素材が紙であること、一点ずつ手書きであることに変わりありません。

なぜ、ダルマ製造で有名な豊岡町で招き猫の張り子が生まれたかというと、じつは豊岡町のある群馬県、養蚕で有名なところでもありました。

伏見稲荷に祀られていることからも分かるように、猫は養蚕の害虫、鼠の天敵です。

豊岡町で養蚕の守護神とも言うべき招き猫の製造は必然でもありました。

養蚕の途絶えた現在でも、張り子による招き猫は商売繁盛の縁起物として製造され続けています。

アメリカ生まれの某遊園地は害虫の鼠がキャラクターの主人公になっているので、さまざまな動物がキャラクター化されるなか、猫だけは絶対に登場しませんが、これもお国柄というべきでしょうか。

某遊園地のお土産グッズのなかに、こっそり豊岡町の張り子招き猫を忍ばせてやりたい気分になってきますが、良い子の皆さんはけっしてそんな真似をしてTwitterでつぶやく、なんてことはしないでくださいね。

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